2023.12.18
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食の街・長田のご当地グルメ「そばめし」と「すじ焼き」を堪能
神戸三宮から電車で10分ほどの場所にある長田エリアは、下町情緒あふれる昔ながらの店が多い街。
そんな長田には、独自の食文化が根づき、「そばめし」や「すじ焼き」など、世代を超えて愛され続ける名物グルメがたくさんあります。
長田の街を訪れて、ご当地グルメを楽しんでみませんか?「そばめし」「すじ焼き」って?
長田発祥といわれる「そばめし」と「すじ焼き」。
「そばめし」はソース焼きそばとご飯を細かく刻んで混ぜ合わせた料理のことで、豚肉以外にも海鮮やキムチなどをトッピングしたものがあります。一方、「すじ焼き」は、牛スジ肉とコンニャクを醤油やみりんなどで甘辛く煮た「すじこん」をトッピングした料理のことをいいます。
「すじこん」は「ぼっかけ」とも呼ばれていて、メニュー名はお店によってさまざま。「すじこん焼き」「ぼっかけ焼き」と呼ぶお店もあります。
今回は、そんな「そばめし」と「すじ焼き」を楽しめるお店を2つ、ご紹介します。
そばめし発祥のお店「お好み焼き 青森」
JR新長田駅から6分ほど歩いたところにある「お好み焼き 青森」は、そばめし発祥の店として有名。
全19席のこじんまりとした店内は、地元の人から観光客まで多くの人で賑わっており、取材日にも関東から来たというグループの姿がありました。
お店がオープンしたのは1957年。3代目店主・青森さんのおばあさまが始めたお店で、名物のそばめしはもちろん、すじ焼きやお好み焼き、モダン焼きなどをいただけます。
青森さんによると、そばめしが誕生したのは、青森さんのおばあさまの代。
メニューにご飯がなく、近くの工場で働いていたお客さんが持参した冷や飯を、注文した焼きそばと一緒に鉄板で温めてほしいと頼んだことから生まれたメニューなのだそう。
そばもご飯も細かく刻まれていて食べやすく、ほんのり甘いソースが絡み合ってたまらない味。ランチにも、小腹が空いたときのおやつにもぴったりのひと品です。
こちらのすじ焼きは、生地、キャベツの上にすじこんをたっぷりトッピング。「お好み焼き 青森」のすじこんは、一般的なすじこんよりも細かく切り刻んでいるのが特徴なのだとか。
理由については、はっきりと分からないそうですが、「歯が悪かった祖母が食べやすいように、そうしたんだと思います」と笑みをこぼす青森さん。そんなお店自慢のすじこん入り「すじ焼き」も、たっぷりソースをかけてご賞味あれ。
こだわりは「昔からの味を変えないこと」。青森さんが言うように初代の頃から通う常連客からも「昔ながらの味が楽しめる」と好評です。
こじんまりとしたお店には、どこかほっとする温かさがあり、「また来たよ!」と折にふれて通いたくなります。
商品はテイクアウトも可能。気になるメニューを見つけたら、お持ち帰りしてはいかがでしょうか。
住所 | 神戸市長田区久保町4丁目8-6 | アクセス | JR「新長田駅」徒歩約6分 |
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電話番号 | 078-611-1701 |
初めてでも気軽に入りやすい「元祖 お好み道場」
つづいて紹介する「元祖 お好み道場」は、JR新長田駅から徒歩3分のところにあります。現在は2代目の店主がお店を切り盛りしている60年以上の歴史あるお好み焼き店。
阪神・淡路大震災前は、JR新長田駅からすぐの大通りに面した場所にお店がありましたが、震災後に現在の場所へ移転。小さなお子さん連れのファミリーからご年配の方まで、幅広い年代の方が訪れる長田の人気店です。
店内は全60席と席数が多いのも嬉しいポイント。隣のテーブルとの間隔が広く取られているので、周りを気にせず、ゆっくりと食事を楽しめます。
そんな「元祖 お好み道場」でも、長田のご当地グルメである「そばめし」と「すじこん焼き」をいただきました。各テーブルに鉄板が設置されているので、最後まで熱々の料理が堪能できます。
そばめしは、タコ、エビ、イカと海鮮入りの「ちゃんぽんそばめし」をセレクト。ご飯と焼きそば、それぞれ1人前ずつの量を合わせて作っているので、ボリューム満点です!
海鮮は「自分で食べておいしいと思うもの」を厳選しているそうで、神戸市中央卸売市場から新鮮な食材を仕入れています。
ソースは甘口のオリジナルブレンドを使用。お好みで神戸生まれの長期熟成された「どろソース」や、一味唐辛子をトッピングすれば、味の変化が楽しめます。
「すじこん焼き」には、自家製の甘口すじこんがたっぷり入っています。ふわっとした食感の生地で、食べた瞬間思わず「おお!」と感動してしまうおいしさ。
ほかにも、店主イチオシの「ホルモンうどん」や「とんぺい焼き」、冬季限定の「かき焼き」をはじめ、焼き物メニューが充実しているので、グループで訪れたときはいろいろ頼んでシェアするのもおすすめです。
店内が広く、初めてでも気軽に入りやすい「元祖 お好み道場」。オンラインショップでは、「そばめし」や「すじこん焼き」がセットになった商品もあるので、神戸の味を自宅で楽しみたい方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
住所 | 神戸市長田区若松町3丁目-1-2 | アクセス | JR「新長田駅」徒歩約3分 |
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電話番号 | 078-643-1517 |
お好み焼き店の集積率全国ナンバーワンとも名高い長田の街。粉もん以外にも、中華やコリアン、ベトナム、ミャンマーなど多国籍料理店も多いので、長田グルメを目当てにぜひ訪れてみてください。
そばめしやお好み焼きに欠かせないソースについては、「神戸はソース天国⁉神戸のソース&グルメを知る」の記事をぜひチェックしてください。
神戸出身の漫画家、横山光輝さんゆかりの地にちなんで設置された「鉄人28号」の巨大モニュメントがあったり、昔ながらの商店街が残っていたりするので、ぶらぶら散策するのも楽しいですよ。
神戸在住のライター。関西の観光、グルメを中心に企画・取材・執筆・撮影を担当。書籍『るるぶKids こどもの運動能力がぐんぐん伸びる公園 京阪神版』では神戸市内13ヶ所の公園を取材。レトロ建築とチーズケーキとミュージカルが好き。地元の魅力を発信したいという思いのもと、日頃から神戸の街を歩いてネタ探しをしています。