2023.11.22
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神戸はソース天国⁉神戸のソース&グルメを知る
お好み焼きやフライなど、日々の食生活に欠かせない「ソース」。
日本のソース発祥の地は神戸と言われているのは、ご存じでしょうか?神戸の「阪神ソース」という会社が、明治18年に日本で初めてウスターソースを製造・販売したことが由来です。
今回は、さまざまな神戸のソースが揃う専門店や、そばめし&お好み焼きの人気店を訪ねて、その魅力に迫ります。
ソース好きの方、必見の内容です。
個性豊かな神戸のソースが大集合「ユリヤ」
“そばめし発祥のまち” “ぼっかけのまち” そして “お好み焼き店 密集度日本一のまち” (諸説あり)である神戸市長田区には、神戸のソースが集結する名物店があります。
長田神社前商店街に店を構える「ユリヤ」です。
普段、スーパーで目にすることのない銘柄まで揃っているとあって、ソース愛好家の方々に有名なこちらのお店。
店内には、神戸を中心に、大阪や京都など100種類以上のソースがひしめき合っています。
サイズも種類もバラエティ豊か。レトロな雰囲気のラベルも多く、見ているだけで楽しくなります。
もちろん、人気のどろソースもありました。
どろソースは、ウスターソースの沈殿部分を利用して作られた旨味、辛味が凝縮されたスパイシーなソースです。商標登録はオリバーソース。
たくさんある「神戸のソース」を知るために、店主の中島さんにお話をうかがいました。
Q.どんな神戸のソースがありますか?
現在、取り扱っている神戸の地ソースメーカーは6社です。
長田エリアの代表格「ばらソース」は、ほどよい酸味、クセの強さがあって、やみつきになる人が多いです。
その他、人気があるのは、昭和25年創業の「ブラザーソース」(本社:兵庫区)や、甘酸っぱい風味があって懐かしさを感じる「ニッポンソース」(本社:西区)、神戸で一番小さい規模で頑張っておられる王子公園の「プリンセスソース」(本社:灘区)があります。
さらに、とんかつソースを世に生み出し、どろソースでも有名な「オリバーソース」(本社:中央区)、明治18年創業で日本最古のソースメーカーである「阪神ソース」(本社:灘区)と、神戸のソース文化を支えてきたブランドが揃っています。
Q.神戸にソースがここまで根付いたのはなぜ?
明治の洋食文化からです。
昔、神戸の港には海外からスパイスがたくさん集まっていました。それをふんだんに使ったウスターソース作りが神戸で盛んになり、メーカーも増えました。
戦後に、オリバーソースが「とんかつソース」を開発したことも転機だったようです。濃厚なソースがお好み焼き店などでも使われるようになって、関西の粉もん文化の発展にまでつながっていったようです。
阪神・淡路大震災後、被災して長田区を離れた方々からユリヤに、「こっちのは口に合わんから送ってくれ」とリクエストされたことがきっかけで、ソースの取り扱いを増やすことになったそうです。
せっかくなら、神戸のソース文化を楽しんでもらおう!と本格的に取り揃えていったところ、今では全国から問合せを受けるようになったとか。
取材中もひっきりなしにお客さんが来られて、一升瓶サイズのソースを購入する方や、神戸のお土産として地ソースを選んでいる方もいました。
“面白いソースに出会いたい!” “神戸のソースを制覇したい”という方は、ぜひ足を運んでみてください。
住所 | 神戸市長田区五番町8丁目1-6 |
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アクセス | 神戸市営地下鉄「長田駅」徒歩約2分 神戸高速鉄道「高速長田駅」徒歩約3分 |
公式サイト | https://www.yuriya.co.jp/ |
神戸のソースを使う、老舗のお好み焼き店「ゆき」
神戸のソースについて知った後は、やはりそのグルメを味わわずにはいられません。
長田区の中でも、最もお好み焼き店が多い新長田エリアへ。西神戸センター街という商店街の中にある「ゆき」へうかがいました。
お店は昭和風情が残る下町のお好み焼き屋さん。家族経営をされていて、アットホームな雰囲気がただよいます。
まずは、長田発祥の「そばめし」をオーダー。
短く切ったそばと、ごはんがたっぷり入っていて、なかなかのボリュームです。牛すじもたっぷり。
勝手ながらこってりした味付けをイメージしていたのですが、軽くて美味しい!
油を使わっておらず、食材の旨味を感じられるように味付けも控えめにしているようです。
食べる時は、好みに合わせて、追いソースで調整していきます。ソースは人気の「ブラザーソース」。
まずは、お好みソースを使って味わい、さらにどろソースも加えてみます。どろソースは、甘さの後にピリッとくるスパイシーさがたまりません。
続いては、すじ焼。
神戸特有の薄手の生地に、すじ肉がたっぷり。スタンダードソースのあとに、粉鰹と青海苔をふりかけていただきます。
生地はとてもやわらかく、テコで熱々をフーフーしながら食べました。ちなみに、この界隈では、コテでもヘラでもなく「テコ」と呼ぶ人が多いそうです。
長年地元に愛される名店で、神戸の粉もんグルメを地ソースとともに満喫できました。
住所 | 神戸市長田区久保町4丁目2-5 |
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アクセス | JR「新長田駅」徒歩約10分 神戸市営地下鉄「駒ヶ林駅」徒歩3分 *予約不可 |
長田区をはじめ神戸には美味しいお好み焼き屋さんが数多くあるので、神戸のソースグルメをぜひ楽しんでください。
神戸在住のPRディレクター&ライター。洗練された都会のイメージがありながら、自然を身近に感じられる街・神戸の魅力をもっと多くの方に届けていきたい。そんな想いで観光やグルメ、そして関わる人々を取材。灘区の六甲山にも海にもすぐ行ける場所に住み、カメラ片手にいろんな場所へ出かけています。