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2024.01.20

震災復興への希望を託す「神戸ルミナリエ」4年ぶりに開幕

震災復興への希望を託す「神戸ルミナリエ」4年ぶりに開幕
【文・写真】 神戸観光局 観光部

2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」では、マグニチュード 7.6、最大震度7を記録し、広域にわたり甚大な被害が生じています。

被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

いまから29年前の1995年1月17日、今回の地震と同じ最大震度7を記録する「阪神・淡路大震災」が神戸の街を襲いました。

能登半島地震の報道で、倒壊した建物や、火災で焼け野原になってしまった街が映し出されるたび、当時の神戸の光景が思い起こされ、心が痛むと同時に、被災地の復興を祈る気持ちでいっぱいになります。

阪神淡路大震災時の様子

阪神・淡路大震災直後の中央区・生田新道周辺
(写真提供:神戸市)

神戸は震災後、国内外からの多くの温かい支援を受け、様々な苦難を乗り越えて復興を果たしました。そのような復興を歩むうえでシンボルとなった行事が、震災の同年1995年12月に初めて開催された「神戸ルミナリエ」

震災犠牲者の鎮魂の意を込めるとともに、都市の復興・再生への夢と希望を託した荘厳な光の芸術作品は、震災に打ちひしがれた神戸の街と市民に大きな感動と復興への希望をもたらしたのです。

第一回神戸ルミナリエ

1995年に開催された第一回神戸ルミナリエ
(写真提供:神戸ルミナリエ組織委員会)

1995年以来毎年開催され、震災の記憶を伝えるとともに、神戸の冬の風物詩として、全国から多くの方が訪れる、日本有数のイルミネーション行事となっています。

コロナ禍により中止(代替行事を実施)となっていましたが、今年は4年ぶりに本格開催。1月19日(金)から1月28日(日)までの10日間、神戸の中心市街地にある「東遊園地」、「旧居留地」、「メリケンパーク」を会場としてルミナリエ作品が展示されます。

今年の開催の様子を、レポートでご紹介します。

震災の記憶を伝える神戸ルミナリエ/東遊園地会場

会場の一つとなる「東遊園地」は、リニューアルされたばかりの、芝生が広がる美しい都市公園。

この場所では、毎年1月17日に「阪神淡路大震災1.17のつどい」が行われ、多くの人々が竹灯籠に明りを灯して祈りを捧げます。

震災を忘れず防災に備えるためにも、このように犠牲者を追悼し、記憶をつたえ続けることの大切さを、能登半島地震のような大災害が起こるたび改めて思います。

その東遊園地は、1月19日から神戸ルミナリエの荘厳な光に包まれています。

芝生広場南西には、全長39m、高さ19mにも及ぶ大型作品「スパッリエーラ」が設置されました。

スパッリエーラ

例年ルミナリエ会場を巡るゴール地点となる東遊園地ですが、今年は分散展示となり、三宮駅から最も近い大型作品となります。

広場全体を明るく包みこむような大きな作品を見て、ようやくルミナリエが本格開催されるという感慨がこみあげてくる方も多いのではないでしょうか。

スッパリエーラとあわせて訪れていただきたいのが、「1.17希望の灯り」と「慰霊と復興のモニュメント」という、震災の記憶を伝える2つの場所。

1.17のつどいでも分灯されている「1.17希望の灯り」には、ルミナリエ期間中「希望のアーチ」という特別なルミナリエ作品が設けられます。

震災犠牲者の名前が刻まれた銘板がおさめられている「慰霊と復興のモニュメント」では、日中しか入れない地下の瞑想空間が、夜間でも特別に開放されています。ルミナリエの来場者で外が賑やかな中でも、静寂を感じる祈りの空間です。

芝生広場の展示を見たら、小さいアーチ状の展示をくぐって南側へ。花時計がある南側園地には高さ11m、直径7.6mの光の聖堂「カッサアルモニカ」が設置され、音楽ステージとして生演奏などのプログラムが実施されます。

その周囲では協賛事業「神戸ディライトファウンテン」が開催。神戸の名だたる食品関連企業によるグルメブースと、神戸の音楽文化であるジャズなどのライブが催されます。カッサアルモニカの光に包まれながら、神戸ならではの食と音楽を同時に楽しめてしまうという贅沢な空間です。

そのほか東遊園地会場では、能登半島地震の被災者支援のための募金活動も行われています。

また東遊園地会場にはルミナリエグッズの販売ブースもあり、ここには歴代の神戸ルミナリエグッズが出てくるカプセルトイが設置されています。何が出てくるかは買ってからのお楽しみ。商品が無くなり次第終了となります。

海辺の夜を彩る幻想的なイルミネーション/メリケンパーク会場

今回新たに会場となる「メリケンパーク」には、例年旧居留地会場の道路を覆う形で展開されていた、神戸ルミナリエを象徴する光の回廊作品「ガレリア」が設置されます。

例年よりも規模は縮小されますが、それでも長さ70mにわたる大型作品で、その入口には幅40m高さ15mの玄関作品「フロントーネ」も設置され、海沿いに光に包まれた幻想的な空間が出現しています。

ガレリア

アーケード型のルミナリエ作品にM字型の屋根が設けられるのは、ルミナリエの本場イタリアも含めて初めてなのだとか。

ガレリアを通り抜けた先には、神戸ルミナリエ希望の鐘を包む高さ約8mの作品「鐘のガゼボ」が設置されており、背景にルミナリエと神戸ポートタワーが一緒に映る記念撮影スポットとして行列ができています。

神戸ポートタワーや海洋博物館といった神戸のシンボルと、ルミナリエ作品のコラボレーションは、今年ならではの光景です。

なお、この「ガレリア」「フロント-ネ」は有料観覧エリアとなり、入場にはチケットが必要となります。

前売券/500円、当日券/1,000円

チケット購入はこちら

有料観覧エリアに入場された方は、ルミナリエのAR(拡張現実)作品、「幻のスパッリエーラ」と「どこでもルミナリエ」をお楽しみいただけます。特に幻のスパッリエーラは、有料エリア内でのみ鑑賞できる作品となっています。

入場時に渡される「Thank Youカード」の裏面のQRコードをスマートフォンで読み込むと、光の壁掛け スッパリエーラ が画面内に出現。歩いて作品を通りぬけ、外側から眺めることもできるので、もう一つの展示が現れたかのような没入感があります。

また Thank Youカード をお持ちの方には、ルミナリエ期間中、会場周辺の飲食店やショップでお得な特典をご用意しています。ルミナリエを鑑賞した後に、神戸の街でディナーやちょっと一杯をお楽しみください。

このThank Youカードは有料エリアへの入場された方のほか、会場で募金をされた方にもお渡ししています。

街並みとあわせて楽しめる作品が点在/旧居留地会場

東遊園地会場からメリケンパーク会場をつなぐ間にある「旧居留地」には、各所にルミナリエ作品が点在しているので、美しい夜の旧居留地の街並みを味わいながら作品を観覧できます。

メインとなるのは、三井住友銀行神戸本部ビル前広場の三方を囲うように設置される高さ約7.2m、幅約14m~18mの「光の看板作品」と、高さ10mを超えるツリー状のルミナリエ作品。ツリー作品は今回ルミナリエ初登場となる作品です。

ルミナリエとあわせて訪ねる震災の記憶/会場周辺

神戸には、ルミナリエとあわせて訪れていただきたい、震災の記憶を今に伝えるスポットがいくつもあります。

メリケンパークの東側には、震災時に被害を受けた岩壁がそのまま残されている「神戸港震災メモリアルパーク」があります。神戸港の被災の状況、復旧の過程などを記録した模型や映像、写真パネルなども展示しており、震災のすさまじさを間近に見て、肌で感じることができる貴重な場所です。

震災メモリアルパークの写真

メモリアルパークに残る震災当時の崩壊した岸壁

また、旧居留地にある「旧居留地十五番館」は、旧居留地時代から現存する唯一の洋館で、阪神・淡路大震災で全壊してしまいましたが、部材の70%を活用し、元の姿に再建されました。現在はレストラン「TOOTH TOOTH maison 15th」として営業しています。


※「TOOTH TOOTH maison 15th」は、2024年6月2日(日)をもって閉店し、新業態のパティスリー&ティーブティック「Salon 15 TOOTH TOOTH 旧神戸居留地十五番館」として、2024年6月20日(木)にオープン予定です。


旧居留地十五番館の写真

美しいコロニアル建築の旧居留地十五番館

会場から少し離れた北野にある異人館「萌黄の館」には、震災時に折れて落下した屋上の煙突が地面に突き刺さったまま残されています。

萌黄の館の写真

萌黄の館の外観(右)と落下した煙突(左)

ほかにも神戸には、阪神・淡路大震災の経験と教訓を後世に伝え、これからの備えを学ぶ災害ミュージアム「人と防災未来センター」があり、震災発生の瞬間を再現した映像上映(1.17シアター)や、被災者から提供された震災関連資料展示などから1995年に起きた阪神・淡路大震災がどのような災害だったのか学ぶことができます。

人と防災未来センターの写真

人と防災未来センターの体験型展示

ルミナリエとあわせて開催されるイベント・キャンペーン

「神戸税関 特別夜間開放」

「神戸税関

開催期間中の週末(1月19日~21日、1月26日~28日)には、東遊園地から南側へ徒歩約5分ほどの場所にある「神戸税関」の夜間開放が行われています。神戸税関の建物は1927年に竣工し、映画のロケ地としても度々登場している神戸のランドマークの一つ。(神戸フィルムオフィス ロケ地マップ

美しい建築のライトアップと、私たちの生活に密接に関わっている税関の業務について学べる展示がみどころです。(入場無料、予約不要)


詳しくはこちら

神戸で泊まるとおトク「神戸おかえり旅キャンペーン」

神戸おかえり旅キャンペーン

「神戸ルミナリエ」やその後に続く「南京町春節祭」などに合わせて、期間限定の新しい宿泊プランでもてなす「神戸おかえり旅キャンペーン」を実施中。市内の30以上の宿泊施設が、40店舗ではしご酒を楽しむことができる「ちょい飲み手帖付きプラン」や「ルミナリエ公式スイーツ付きプラン」「神戸おかえり旅連泊応援プラン」をご用意しています。


詳しくはこちら

神戸で“食のはしご”を楽しもう「KOBE BAL」

KOBEBAL

「KOBE BAL」は、バル巡りの聖地とも呼ばれるスペイン サンセバスチャンの楽しみ方をイメージした新企画。神戸のいろいろなお店の料理を少しずつ”はしご”して楽しむイベントです。1枚のチケットで各店舗が特別提供する「バルメニュー」を楽しむことができます。


詳しくはこちら

ルミナリエの暖かい光に包まれる冬の神戸へ

神戸ルミナリエの暖かい光に包まれながら、震災の記憶を繋ぎ、復興への祈りを馳せに、ぜひ会場までお越しください。

震災の記憶と教訓を後世に受け継ぎながら、神戸の街は今日もみなさまをお迎えしています。

そして、被災地が一日も早く復旧・復興して、再び多くの観光客が能登を訪れることを心より願っています。



Information 第29回 神戸ルミナリエ
開催期間 2024年1月19日(金)~1月28日(日) 10日間
会場 東遊園地、旧外国人居留地、メリケンパーク
HP https://www.feel-kobe.jp/kobe_luminarie/
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