2023.08.16
- 観光
有名な合戦の舞台も!須磨の「源平合戦」ゆかりの地をめぐる
神戸市の須磨区周辺は、源平合戦「一ノ谷の合戦」の舞台となったこともあり、区内のあちこちに源平ゆかりのスポットが点在しています。
そこで今回はガイド歴30年以上、須磨の歴史案内人として活動する須磨歴史俱楽部の西海さんと一緒に、須磨にある源平ゆかりの地をめぐってみることに。
神戸在住のライター。関西の観光、グルメを中心に企画・取材・執筆・撮影を担当。書籍『るるぶKids こどもの運動能力がぐんぐん伸びる公園 京阪神版』では神戸市内13ヶ所の公園を取材。地元の魅力を発信したいという思いのもと、日頃から神戸の街を歩いてネタ探しをしています。
一ノ谷の合戦は神戸が舞台だった
源平合戦とは、1180年に以仁王(もちひとおう)から命を受けた源氏の兵が、1185年に壇ノ浦(現在の山口県下関市)で平氏を滅ぼすまでの一連の戦いのことをいいます。
その源平合戦の中でも有名な「一ノ谷の合戦」は、1184年に現在の神戸市中央区、兵庫区、須磨区を舞台にして繰り広げられた合戦のこと。
源義経が「逆落とし」という奇襲攻撃を仕掛けたり、平敦盛と熊谷直実が一騎討ちをしたことでも知られています。
須磨寺駅前にある「平重衡とらわれの松跡」
西海さんとまず向かったのは、山陽電鉄「須磨寺駅」の改札を出て、すぐのところにある「平重衡とらわれの松跡」。
源平合戦のときに「生田の森」を守っていた平清盛の五男・重衡が西へと逃げていく途中に、源氏軍に捕らえられた場所ではないかと伝えられています。
次の目的地である「須磨寺」までは、「須磨寺商店街」を通っていきます。
毎月20日、21日に須磨寺で行われる縁日「須磨のお大師さん」の日になると、須磨寺の境内や参道をはじめ、この辺りにも屋台が出たりと、お祭りモードに。賑やかな商店街を散策するのもおすすめです。
住所 | 神戸市須磨区須磨寺町1-11-12 |
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アクセス | 山陽・阪神・阪急電車「須磨寺駅」より徒歩すぐ |
公式サイト | http://www5f.biglobe.ne.jp/~sumadera/ |
一ノ谷合戦の舞台となった「須磨寺」
続いて向かった「須磨寺」は、真言宗須磨寺派の大本山。886年(仁和2年)に、光孝天皇の勅命によって聞鏡上人が創建したお寺です。
そんな「須磨寺」は源平合戦「一ノ谷合戦」の舞台になった場所といわれており、源氏の大将を務めた源義経の陣地だったと伝えられています。
そういう場所だということもあって、境内にも源平ゆかりの史跡がたくさん残っているのがお寺の見どころの一つ。
こちらの「源平の庭」は、『平家物語』巻第九に描かれている「敦盛最期(あつもりのさいご)」、平敦盛と熊谷直実の一騎討ちの場面を再現した庭です。
また、本殿の隣にある「義経腰掛けの松」は、源義経がこの松に座って平敦盛の首と笛かどうか調べたといわれている場所。
松の前には小さな池があり、そこで義経は手にした首が本当に敦盛かどうか洗って確かめたという話が残っているそう。
三重塔をさらに西へ進んだところにあるのが「敦盛公墓所」。この首塚は、熊谷直実に討たれた平敦盛を弔うために建立されたものです。
そのほかにも、境内には源平合戦を詠んだ句碑もあります。こちらは松尾芭蕉の「須磨寺や ふかぬ笛きく 木下闇」と詠んだ句。
「須磨寺の木の下にいると聞こえもしない笛の音が聞こえてくるようだ」というような意味で、敦盛の「青葉の笛」にちなんだ須磨寺らしい一句です。
このように、「須磨寺」には源平にまつわる史跡が多く残っているため、源平ゆかりの地めぐりには欠かせないスポットです。
さて、そんな「須磨寺」をたっぷりと楽しんだあとは、車で約10分、徒歩と電車で30分ほどの「須磨浦公園」へ向かいます。
住所 | 神戸市須磨区須磨寺町4丁目6-8 |
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アクセス | 山陽・阪神・阪急電車「須磨寺駅」より徒歩5分、JR「須磨駅」より徒歩12分 |
電話番号 | 078-731-0416 |
拝観時間 | 8:30~17:00 |
拝観料 | 無料 |
公式サイト | https://www.sumadera.or.jp/ |
「逆落とし」が行われた場所がある「須磨浦公園」
最後は、源義経が一ノ谷合戦で駆け降りた「逆落とし」の場所があるといわれている「須磨浦公園」へ向かいました。
歩いてそこまで向かうこともできるのですが、今回はロープウェイに乗ってまずは山上へ。
ロープウェイの「鉢伏山上駅」からは歩いて旗振山方面へ進み、「逆落とし」の場所まで向かいます。
山歩きは大変ですが、途中に見える山上からの景色に癒されます。天気のいい日は明石海峡大橋や淡路島も見ることができますよ。
山道を数十分歩いたところで、ようやく「逆落とし」の場所に到着!義経はこの絶壁から70騎ほどを率いて騎馬で駆け降り、平氏軍の背後から急襲攻撃を仕掛けたといわれています。
この急斜面ぶりがお分かりいただけるでしょうか?
この「逆落とし」については諸説あるので、本当のところはどうだったのか想像することしかできませんが、当時この斜面を馬に乗って駆け降りていったかと思うと、すごい!の一言につきますね。
ちなみに、この道の隣に見えるのが「赤旗谷」。「平家の赤旗で満ちた谷」という話から、「赤旗谷」といわれているそうです。
最後に、「須磨浦公園」の立体駐車場、西側にある「敦盛塚」を訪れました。先ほど紹介した「須磨寺」にあったのは首塚で、こちらは胴塚。
一説によると、この供養塔は北条貞時が平家一門を供養するために建立したもので、「集め塚(あつめづか)」といわれていたものが「敦盛塚(あつもりづか)」と呼ばれるようになったという話もあるとのこと。
なお、「須磨浦公園」のロープウェイ乗り場から山上へ行き、そこから歩いて逆落としの場所を通って、またロープウェイ乗り場まで戻ってくるまでの時間は、およそ1時間。途中、山道を通っていくので歩きやすい靴や動きやすい服装で行くのがおすすめです。
住所 | 神戸市須磨区一ノ谷町5丁目3番2号 |
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アクセス | 山陽電車「須磨浦公園駅」下車すぐ |
電話番号 | 078-731-2520 |
営業時間 | 10:00〜17:00 ※元旦、桜シーズンなど、季節により予告なく変更する場合があります。 |
定休日 | 火曜日(祝日の場合は営業) |
公式サイト | https://www.sumaura-yuen.jp/facilities/going/ |
ガイドとならもっと楽しめる須磨の歴史街歩き
源平ゆかりの地をめぐる須磨の旅はいかがでしたか?
ガイドの西海さんのおかげで、源平合戦についてたっぷりと学ぶことができた今回の旅。ガイド料は4,000円で、希望に合わせた観光コースを案内してもらえます。
神戸には源氏や平氏にまつわるスポットが、まだまだたくさんあるので歴史の旅と題して観光プランを考えてみるのもおすすめ。より詳しく案内をしてもらいたい方は、ガイドを頼んで街歩きをしてみると、一層楽しめること間違いなしです。
電話番号 | 090-4302-8985 |
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