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2021.04.07

淡河町 – 三宮から30分のカントリーサイド –

淡河町 – 三宮から30分のカントリーサイド –

神戸のちょっと違う顔を見たくなったら、三宮から車を30分ほど走らせて北区淡河町へ足を伸ばしてみませんか?

神戸で観光といえば、異国情緒の残る街並みや港町の風情、そして洋菓子をはじめとした様々なグルメ。そんなイメージが強いかと思いますが、実は他にも神戸はいろんな顔を持っています。

そのうちのひとつが、北区に広がる山と田畑が織りなす田園風景。賑やかな海側の街とはうって変わったこの景色も神戸です。なかでも今回は、おもしろそうな情報が次々と耳に入ってくる淡河町(おうごちょう)を紹介します。

淡河の歴史と「淡河宿本陣跡」

農業が盛んに行われている淡河町で、特に有名なのは花の栽培。実は淡河で栽培される花の品質は全国的に高く評価されていて、ユリやチューリップにおいては日本屈指の産地として知られています。

また、江戸時代の頃には播磨から有馬へと続く湯の山街道にある宿場町として栄え、当時参勤交代の大名も骨を休めたと言われる「淡河宿本陣跡」が残っています。当時の趣がそのまま残っていることから映画のロケ地としても利用され、最近では映画「るろうに剣心 最終章 The Final / The Biginning」の撮影が行われたそうです。

この場所は50年以上使われずにいましたが、淡河町の町おこしに取り組む有志グループの熱意が結実し、(一財)淡河宿本陣跡保存会を設立。2015年秋に水・電気の通っていない状況からお掃除イベントや補修が行われ、2017年から遂にカフェ・イベントスペースとして活用されるようになりました。

カフェでは、淡河産のお米や野菜を使用した料理やスイーツを味わえます。中でも人気のメニューが、淡河の旬を楽しめる「釜飯セット」。蔵と中庭を眺められる縁側に腰掛けて、江戸時代に想いを馳せながらじっくりと味わって欲しい一品です。

左)人気メニューのひとつ、淡河の旬の食材を楽しめる釜飯セット
右)夏には、淡河産イチゴを氷に閉じ込めて削り出したかき氷も
SHOP INFO

淡河宿本陣跡

兵庫県神戸市北区淡河町淡河792-1

本陣蔵cafe

営業時間月〜木11:00〜15:00
※4月からは「本陣 なな福」にリニューアルされ、営業日は水曜~日曜の週5日、定休日は月曜・火曜となります

淡河の今どきな暮らし方

次に紹介したいのは、淡河町で暮らす人。先に紹介した淡河宿本陣跡保存会の理事を勤める鶴巻耕介さんです。

鶴巻さんは、淡河町で農業をしながら淡河町の町おこしに関わる様々な仕事(本陣跡保存会の理事の他には、移住コーディネーター、町おこしグループ「淡河ワッショイ」のメンバー、など)に携わっている兼業農家で、干し芋の加工・販売といった6次産業化にも取り組んでいます。

農村地域のまちづくりに関わりたいと淡河町へ移住し、淡河ワッショイへの参加をきっかけに今では農業目線と移住者目線から淡河町にあるポテンシャルを探し、農村地域の未来像を描く若手のひとりです。

淡河町では鶴巻さんのように移住する30〜40代の人が少しずつ増えてきているそうで、就農する人もいれば、お店を始める人もいるそう。さらに最近では、農業体験ができる場所や、農業スクール、農村民泊なども現れてきています。

農村に泊まる 民泊「ke.ha.re」

※ke.ha.re airbnbページより拝借

淡河町の中でも田畑が広がる場所にある古民家に宿泊できるのに加え、若手農家NIU farmのご夫婦がホスト。農家ならではの野菜に精通した滋味深さと、若手世代ならではの料理・手仕事を体験できるワークショップにも参加できるので、淡河をゆっくり巡って満喫したい人はぜひ足を休めに訪れてみてはいかがでしょうか。

予約はこちら

はなとね

最後に紹介したいのが、茅葺古民家で美味しいベーグルを味わえる「はなとね」。

2014年夏にオープンしたこちらのお店は、淡河産の米粉を使用*したスチームベーグルやボリューム満点のベーグルサンドを、築230年以上の趣のある古民家で食べられる人気店。

誰もが美味しく食べられるようにとベーグルは卵・ミルク不使用で、さらにスチームベーグルには淡河産の米粉を使うなど*、すべての材料にこだわる姿勢も人気のひとつです。(* 時期によっては滋賀産の場合もあり)

また、こちらのオーナーさんも移住組。お話を伺うと、数年前から移住したいというお客さんが増えてきているそう。

周辺の兼業農家さんにとって大切な農作業日となる土日に、来客の車で農道を不便にするのは良くないと考えた結果、営業日はちょっと変則的な木・金・土にしたのだとか。茅葺古民 家に家族で住み、ベーグルを焼き、地域と共存しながら暮らす。そんな素敵な生活を覗きに行く感覚で訪れるのもありだと思います。

SHOP INFO

はなとね

住所:兵庫県神戸市北区淡河町神田143-2
営業日:木・金・土曜
営業時間:木・金曜10:00~15:00、土曜10:00~16:00

遊びのフィールドを広げよう

今回紹介できたのは、淡河町の魅力のほんの一部です。他にも、老舗の和菓子屋さんや、道の駅のお蕎麦屋さん、眺めも雰囲気もいい喫茶店など、立ち寄って欲しい場所がたくさんあります。サイクリストであれば、脚に自信があれば峠を越えて行ってもよし、車で淡河まで行ってサイクリングを楽しむのも楽しいと思います。

まだ淡河町に遊びに行ったことがない方は、ぜひ一度足を運んでみてください。


【文・写真】則直建都

兵庫県宝塚市出身、神戸市在住。阪神間で過不足なく暮らすローカル体質人間。サイクリングとロードレース観戦が好き。

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