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2023.07.19

神戸のコーヒー店がおすすめする、スペシャルティコーヒーのお店

神戸のコーヒー店がおすすめする、スペシャルティコーヒーのお店

神戸はコーヒーの街、1878年の明治時代には、神戸でコーヒーが販売されていた歴史もあり、コーヒー店が並ぶ激戦地区でもあります。そんな神戸に、スペシャルティコーヒーの店舗が近年増えてきました。

スペシャルティコーヒーとは、諸説ありますが「コーヒー豆(種子)からコーヒーカップまで(From Seed To Cup)」の一貫した品質管理がされ、どこで・だれが・どのように作ったかが明確なことが必須とされています。

もっと詳しく知りたい方は、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)(https://scaj.org/about/specialty-coffee)のサイトを確認してくださいね。

徹底管理されているので、コーヒー豆のクオリティは高く、バラエティ豊かな品種が取り扱われています。

筆者は、スペシャルティコーヒーを初めて飲んだ時に感激して、神戸のスペシャルティコーヒー店を訪れる度に「おすすめするコーヒー店はどこですか?」と聞くと皆さんお好みの店を親切に教えてくださいました。それでは実際に、訪れた神戸のコーヒー店をご紹介します。

TAOCA COFFEE

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神戸市と西宮市に店舗を構えるTAOCA COFFEEの5店舗目が、神戸元町の南京町エリアに「TAOCA COFFEE 神戸元町店」として3月21日にオープンしました。

TAOCA COFFEEは、2014年に田岡英之さんが西宮でコーヒー自家焙煎店としてオープンしました。当時はまだスペシャルティコーヒーという言葉に世間の馴染みはありませんでしたが、水が波紋を広げるようにどんどん地域のファンを増やしていきました。

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写真提供:TAOCA COFFEE

田岡さんは、大手コーヒーチェーンで勤務していましたが、スペシャルティコーヒーに出会い、コーヒーの味わいだけじゃない魅力に衝撃を受けます。

スペシャルティコーヒーを広めることは、コーヒー農園を豊かにし、上質なコーヒーを提供する仕組みが循環していくことにつながります。生産者と消費者をTAOCA COFFEEがつないで行こうと、続けてきたと言います。

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写真提供:TAOCA COFFEE

TAOCA COFFEE店の魅力は、スタイリッシュだけれども素朴で清潔感あふれるおしゃれな店内と、空気の流れがゆったりとしていて、どの店舗に初めて伺っても「おかえりなさい」と言われるようなほっと安心できるような店構えです。

普段目にすることのない貴重な品種からシーズンに合わせた焙煎豆の試飲が、常時10種類ほど用意され、自分の味覚に合ったコーヒー豆を購入することができます。

加えて、バリスタが淹れるコーヒーのクオリティは高く、いつでもどこでも満足度の高いコーヒーを楽しめます。社内でバリスタの試験制度を実施し、スタッフの教育にも力を入れているのも特徴でしょう。

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店内の照明には太陽光に近いLEDを採用

神戸市内には、神戸岡本店、神戸六甲店、新店の神戸元町店の3店舗があります。

六甲店と元町店には、菓子事業「THE BRANTA BAKE STORE」(ブランタ)が併設されているので、コーヒーとスイーツを一緒に楽しめます。

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2階は「THE BRANTA BAKE STORE」

神戸港に近い神戸元町店のデザインコンセプトは「海」、造船などで廃材となったラワン材を壁一面に敷き詰め再利用しました。

南京町から一本路地に入ると、街の賑やかさが嘘の様に静かで、おしゃれでレトロな雰囲気の店舗を見つけることができます。

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ラワン材の廃材で作った壁は波のように見えます

スペシャルティコーヒーを飲む時間が大好きという神戸元町店の店長の杉井勇太さんは、「TAOCA COFFEEを飲んで魅力を知って欲しい。スペシャルティコーヒーを広めて、生産者を幸せにしたい」と語ります。

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TAOCA COFFEE 神戸元町店入口

メニュー:

・ [期間限定] フルーツコーヒー(HOT/ICED)¥550
・ エスプレッソ¥320
・ カフェラテ(HOT/ICED)¥500
・ ホットコーヒー¥450

InformationTAOCA COFFEE 神戸元町店
住所 神戸市中央区栄町通2-7-7 1F
アクセス JR・阪神元町駅より徒歩3分
電話番号 078-515-6331
営業時間 10:00-19:00
定休日 ︎火曜日(2023年5月〜無休予定)
公式サイト https://taocacoffee.jp/
Instagram https://taocacoffee.jp/pg4742041.html

coffee up!

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「コーヒー文化を作りたい!」coffee up!は、カフェの街オーストラリア・メルボルン仕込みのスペシャルティコーヒーを提供する店として、JR神戸駅の近くに、2018年にオープン。コーヒーの固定概念を覆す様な、バラエティ豊かなスペシャルティコーヒーを提供し続けて、いつしか地元の人に愛される店となりました。

例えば、浅煎りのフルーティなエチオピアのエスプレッソを使用したカフェラテは、イチゴミルクのような風味になる。苦くないコーヒーは、メルボルンでは当たり前だったと言います。深煎りだけでない、香り豊かなワインの様な味わいを楽しんでもらおうと、コーヒーの多様性を感じていただくため懸命に取り組みます。

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ドリップコーヒーを淹れたあとのテイスティングは欠かさない

「コーヒーは、苦いから苦手だったけれど、フルーティなコーヒーを飲んでから好きになり、常連さんになった方もおられます」とにこやかに語る。

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オーナーの福富真麻さんは、元小学校教員で、1年休暇のつもりでオーストラリアへ、カフェの街として知られるメルボルンへワーキングホリデーで渡ります。復職するはずが、すっかりコーヒー文化に魅了され気がつけばバリスタへ転職することに。現地で修業を積んで、神戸に店をオープンしました。

国道2号線と有馬街道が交わる三角州、南北全面ガラス張りの明るい太陽が降り注ぐ物件を一目見て気に入ります。現在は、周辺の店舗も増え以前と比べおしゃれなエリアへと街が変わってきました。

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太陽が降り注ぐ明るい店内

メルボルンではどんな郊外の町にもコーヒーショップがあり、地元の人に親しまれています。そんな風景を思い描きながら早4年、自家焙煎所でもある2店舗目「ridge」を神戸市北区にオープンしました。

2019年には、夫の金藤智也さんがラテアートの大会「フリーポアー・ラテアート・グランプリ」でチャンピオンに輝きます。

現在は、夫婦で後進を育てるためバリスタ教育にも力を注いでいます。というのも全てはコーヒー文化を浸透させるためだという筋金入りのコーヒー伝道師です。

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フラットホワイト

そんな福富さんのおすすめは、オーストラリアやニュージーランドでは必ずあるメニュー「フラットホワイト」。バリスタの技術を要するのと、日本ではまだマイナーなため提供する店舗はあまりないといいます。

飲んだ感想は簡単にいうと、薄くきめの細かいフォームミルクを入れた、滑らかなカフェラテといったところでしょうか。フォームミルクの喉越しがシルク仕立てのクリームの様で、最初の一口はコーヒーを飲んでいるという感覚ではなく、浅煎りコーヒーの持つフルーティな酸味がミルクと合わさって甘味さえ感じられました。カフェラテとは似て非なる新感覚の飲み物で、すっかりハマりそうです。エスプレッソは深煎りから浅煎りまで幅広く色々な楽しみ方ができるんですね。

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フラットホワイトを淹れる福富さん

ブレックファーストの提供や、スイーツやマフィンは、メルボルン仕込みのオリジナルレシピで、店で焼き上げて提供しています。これもコーヒーの間口を広げるため、食事+コーヒーでスペシャルティコーヒーを知ってもらいたい一心で始めました。

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店内で焼くスイーツのレシピはオーストラリアから

コーヒー文化を広げるため、一般向けのコーヒー教室だけでなく、バリスタが腕を磨きに来る信頼が厚い店として、技術を惜しみなく伝えています。

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提供されたコーヒーには、豆の品種と説明書が渡される

「幼児からお年寄りまで老若男女に優しい、どなたでも来られるお店です。朝9時からオープンしているので、出勤前や観光前にお立ち寄りください」と、福富さんの挑戦はまだまだ続きます。

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店舗には駐輪場所も完備

メニュー

・ BLACK エスプレッソ ¥450
・ WHITE カフェラテ ¥500
      フラットホワイト ¥500
・ KIDS ベビチーノ ¥150
※ テイクアウト50円引き

Informationcoffee Up!
住所 神戸市中央区相生町5丁目10-21
アクセス JR神戸駅より徒歩1分、高速神戸駅より徒歩5分、神戸市営地下鉄 海岸線ハーバーランド駅より徒歩3分
電話番号 078-585-7474
営業時間 9:00〜17:00
定休日 ︎︎木曜日
公式サイト https://coffeeupkobe.com/
Instagram https://www.instagram.com/coffeeup_kobe/

明暮焙煎所

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「暮らしの端っこから明かりを灯す存在」。神戸の西部、須磨区にスペシャルティコーヒーを提供する明暮焙煎所があります。

海と山に囲まれ自然が豊か、繁華街とは時間の流れ方のちがう東須磨エリアが気に入ってオープンしたのは、2017年のこと。

スペシャルティコーヒーを知らない人もいましたが理屈抜きで「いい店ができましたね」と、ご近所からも喜ばれ、いつしか遠方からも車でコーヒーを買い求める人も増え客足の絶えない店になりました。

下校途中の小学生やご近所さんがわざわざ挨拶をしていく。須磨に縁はなかったという2人でしたが、今では東須磨で、あかりを灯す存在です。

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明暮焙煎所オーナーの田村篤史さんは元劇団員で、他店で週末に修業を積みながらコーヒーを学びました。

コロナ以降は、テイクアウトのみに変更しましたが、いつも誰にでも朗らかに接し、気がつけばいつも誰かが田村さんと楽しくおしゃべりをしている。他愛のない会話が、コーヒーの香りと共にせせらぎの様に流れる雰囲気の良いコーヒー店です。

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明暮焙煎所では、朝は「あけ」、昼は「ひより」、夜は「くれ」のイメージで作ったオリジナルブレンドが人気。それぞれ飲むシーンに合わせてブレンドしています。

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店内の焙煎機でコーヒー豆を焙煎

コーヒー豆を購入する方のために、試飲が常時12種類あり、浅煎りから深煎りまで、豊富に取り揃えています。

店内で焙煎を行い、ハンドピッキングで欠点豆を一つずつ取り除く。根気のいる作業ですが、これを毎日こつこつとすることで、味わい深いコーヒーを提供しています。

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欠点豆を取り除く

「公園や海と山があり、すぐ側に妙法寺川が流れ、花見にも最適の場所。自然との時間を楽しめる場所です。都会とはまた違う時間がながれる場所で、コーヒーを楽しんでほしい」と朗らかに語りました。

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オリジナル商品の販売

メニュー

・ ホットコーヒー ¥400
・ アイスコーヒー ¥450
・ カフェオーレ ¥450
※ テイクアウトのみ

Information明暮焙煎所
住所 神戸市須磨区東町1-2-9
アクセス 山陽電車東須磨駅より徒歩3分、JR鷹取駅より徒歩10分
電話番号 078-739-1050
営業時間 10:00-19:00
定休日 ︎︎︎水曜+α
公式サイト https://akekure-beans.com/
Instagram https://www.instagram.com/akekurebeans/
【取材・文・撮影】三島千靖(デザイナー/ライター)

神戸出身ライター。地元目線で企画・取材・執筆と撮影を担当。経営者インタビューや、寺社仏閣・食・ローカルネタが得意分野、取材件数は500件を超える。最近では広報・コンサル支援にも携わっている。

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