2024.05.22
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神戸ロケの舞台裏!Netflix映画『シティーハンター』クライマックスシーンをご紹介
Netflix週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)で初登場1位を獲得した『シティーハンター』。
東京・新宿を舞台に、裏社会の様々なトラブル解決を請け負うスイーパー、冴羽獠(鈴木亮平)は人間を凶暴化させる薬をめぐる争いによって相棒・槇村秀幸(安藤政信)を失います。
本作では獠が犯罪組織との戦いの中で、槇村の妹(森田望智)を新たなパートナーにするまでの物語が描かれます。
主人公役の鈴木亮平さんの熱演も話題となっている本作ですが、クライマックスでの怒涛のアクションシーンは、神戸フィルムオフィスの支援により、神戸市内の「とある巨大地下トンネル」で撮影されました。
この記事では、撮影の様子と舞台裏を、撮影に同行した神戸フィルムオフィスのスタッフがご紹介します。
神戸フィルムオフィスは、2000年に神戸市によって設立されたフィルムコミッションです。映画やテレビドラマ、CMなどの映像作品の神戸ロケを誘致・支援し、スクリーンを通して神戸の魅力を世界に発信することを目的としています。撮影許可の取得やロケーション情報の提供、スタッフ・エキストラの斡旋など、映像制作に関わる様々なサポートを行っています。
https://kobefilm.jp/
神戸の発展を支えた産業遺産が映画のロケ地に!
神戸でロケが行われたのは映画のクライマックスシーン。神戸市西区の某所にある地下トンネルの中に巨大なセットを設営し撮影されました。
この地下トンネル、実はもともとは「ベルトコンベヤトンネル」として、神戸の都市開発と発展を支えた産業遺産なのです。
海と山に囲まれた神戸市は、市街地の面積が狭いため、ポートアイランドや六甲アイランドといった人工島の造成を計画しました。
そのために必要な大量の土砂を、山から海へ効率的に運搬するため、山中にトンネルを掘り、ベルトコンベヤを設置して運搬するという壮大な計画が実行されたのです。
その結果、西区から須磨海岸まで全長14.5kmにも及ぶ巨大なトンネルが建設され、1964年から2005年まで約40年間、「山、海へ行く」とうたわれた神戸の都市開発を支え続けました。
※ ベルトコンベヤトンネルは普段は非公開の施設のため立ち入り不可
4か月かけて設営!トンネルの空間を活かした大がかりなセット
映画の撮影では、ベルトコンベヤトンネルの巨大な空間と、文字通りアンダーグランド感のある雰囲気を活かして、「とある企業の地下プラント」という設定でセットが設営されました。
設営は2022年11月末から約4ヶ月間にも及び、大がかりで細部にまで徹底的にこだわりぬいたセットを作成。撮影は2023年3月末から4月初旬の約2週間行われました。
トンネルの入口の様子。 劇中、獠と香はここからミニクーパーで入っていきました。写真の人物と比べるとトンネルの大きさが伝わるのではないでしょうか。
撮影時は自然光を遮るため、入口にこれまた巨大な暗幕を張っていました。
トンネルの入り口から数分歩くと、高さ約11メートル、横幅約14メートルの巨大な地下空間が現れます。この空間は当時ベルトからベルトへ土砂を移し替える設備があった地点でした。
メインセットが作られたのはこの空間。普段はがらんとした空間が広がっていますが、セット構築中はまるで工事現場のよう。ベルトコンベヤが稼働していた当時のように空間に活気があふれていました。
設営に約4ヶ月を費やして完成したセット。ワクワクします!
劇中で登場する「ラボ」(研究室)に続く通路の様子。天井のアーチやコンクリート打ちっ放しの無機質な雰囲気など、トンネルの空間を上手く活かしてセットが組まれました。
通路の奥に設営されたラボ。タイル張りの床や、照明、モニター、椅子やテーブルなどの備品をふくめ、トンネル内とは思えない、現代的な研究所が再現されました。
セットをよく見ると、錆などのエイジング加工など、本当に細かいところまで作り込まれています。美術チームのレベルの高さと、バーチャルプロダクション(合成背景)に頼らない制作陣の映画への気合を感じることができます。
アクションの展開に合わせ、最初から崩れているセットも!
設定にぴったりな妖しげな光がセットを包み込んでいます。円筒状の空間でライティングの雰囲気が出やすい地下トンネルは映画ロケにピッタリ?写真中央にそびえるエレベーターはちゃんと昇降します!
撮影中の様子。 ハイライダー(高所作業車)やレールなど特殊機材が大活躍。屋内空間で映画撮影の機密性がありながらも、このような大型の機材で撮影ができるのも、このトンネルならではの魅力です。
敵と遭遇した獠と香。この後は壮絶なアクションが!
トンネル内のセットが映像内でどのように映っているか、ストーリーについて気になるという方は、ぜひNetflixでご覧ください!
監督:佐藤祐市
出演:鈴木亮平、森田望智、安藤政信ほか
2024年4月25日より絶賛配信中
(c)北条司/コアミックス 1985
他にもたくさんの作品に登場する地下トンネル
ベルトコンベヤトンネル跡では、これまでにも多くの映画やドラマの撮影が行われ、数々のシーンに深みや独特の演出を与えてくれました。
例えば、映画『デスノートLight up the new world』では、追い詰められたキラ(東出昌大)とSATが対峙するラストのクイマックスのシーンや、死神アーマが砂になって消えていくシーンが。
映画『鋼の錬金術師』では、エド(山田涼介)やマスタング大佐(ディーン・フジオカ)がホムンクルスら(松雪泰子、本郷奏多、内山信二)と闘うシーン、配信ドラマ『幽☆遊☆白書』では、左京邸の地下通路で雪菜(見上愛)と飛影(本郷奏多)、蔵馬(志尊淳)がそれぞれの戦いの後、合流するシーンが撮影されました。
また映画『シン・仮面ライダー』でも注目して鑑賞すれば、意外なシーンでトンネルが登場します。
ぜひ、『シティーハンター』とあわせてチェックしてみてください!