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2021.07.19

「誰もが主人公になれる風景が魅力」、イラストレーターこもりあやみさんインタビュー

「誰もが主人公になれる風景が魅力」、イラストレーターこもりあやみさんインタビュー

神戸といえば、異人館街や神戸ポートタワー 、南京町、神戸牛、スイーツと、ガイドブックでもよく見かける場所やグルメが思い浮かぶかもしれません。そんなイメージの神戸を違った角度から眺めると、また別のおもしろさが見えてきます。

そこで今回は、「神戸制服コレクション」で人気を博した神戸出身のイラストレーター、こもりあやみさんから見た神戸の魅力をご紹介。こもりさんの好きな場所や、おすすめの店などについて伺いました。

PROFILE

こもりあやみ

イラストレーター。神戸市垂水区出身。阪神間にある公立・私立の制服を描いた「制服コレクション」が話題となり、以降、神戸でおなじみの飲食店や企業のロゴをネオンサイン風に仕上げたイラストや、西宮市の風景を描く「ニシノミヤドローイング」など、「街」と「人」をテーマに、実在する風景を元にしたイラストを描いている。

SNSで話題を呼んだ「神戸制服コレクション」

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イラストレーターとして活動しているこもりあやみさんは、神戸市垂水区出身。神戸市内の国公私立50校の制服を網羅したイラスト「神戸制服コレクション」をきっかけに有名となり、「神戸を描くイラストレーター」としての認知度が高まりました。そんなこもりさんが、イラストを描きはじめたのは「神戸の魅力を発信したかったから」だったそう。

「2009年頃から垂水周辺の新規開店ラッシュや『須磨垂水Walker』の出版、ジェームス邸のリニューアルなどが続き、地元民としても『これから人が増えるかもしれない』という波を感じていました。垂水駅再開発の意見交換会に参加したこともあり、この機会に自分でも神戸の魅力を発信できたらと思って。それから絵の勉強をはじめ、イラストレーターの活動をスタートさせました」

こもりさんの代表作は「神戸制服コレクション」以外にも、阪神エリアにある公私立48高校の制服を描いた「阪神制服コレクション」、神戸でおなじみの飲食店や企業のロゴをネオンサイン風に仕上げたイラストなどがあります。こういった神戸のイラストを描きはじめたことを契機に、街の見方にも変化があったそうです。

「栄町通やトアロードなど、カフェが密集しているところだけでなく、ガイドブックに載らないようなニッチな場所にも足を運ぶようになりました。何気ない神戸の風景や街並みを見るのが好きで、よく坂の上から街を見下ろして景色を楽しんだり、路地裏の写真を撮ったりしていますね」

神戸の絵になる風景と、めずらしい地名、そして餃子が好き

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「神戸の魅力は風景が絵になる街なので、イラストを描いたり、写真を撮ったりすると、そこにいる全員が主人公になれる場所だと思います。私もよくイラストの真ん中に人を置きますが、神戸の風景はその構図が似合う街ですね」

そのほかの魅力について尋ねると、こもりさんからは「地名」と意外な答えが返ってきました。

「神戸は、めずらしい地名が多い街でもあるんです。『字(あざ)』といって昔の土地区画を表している古い名前があるのですが、特に須磨区の妙法寺や垂水区の名谷には、その字が多い。例えば、須磨区には『狐』や『車』という名前の小さな字があったり。Googleマップでそういう場所の地名を調べながら『ここには何があったんだろう』と想像を膨らませて楽しんでいます。おしゃれなイメージの神戸も好きですが、歴史学科出身だからか、私は人々の暮らしや地名にも惹かれますね」

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また、「コロナ禍が落ち着いたらしてみたいこと」について、こもりさんは「神戸で餃子を食べること」を挙げてくれました。神戸はパンやスイーツのイメージがあるかもしれませんが、実は餃子の町としても有名。老舗の名店も多く、味噌だれ発祥の地ともいわれています。

「コロナ前は、よく神戸の餃子店巡りをしていました。餃子を食べながら、お酒を飲むのが大好きで、元町の『餃子のひょうたん』『GYOZA YUMMY』『俺の餃子』、北野坂の『ギョーザ包君本店』など、好きなお店をあげるとキリがありません。六甲道には『Agula』というイタリアンと餃子のお店もあって、神戸の餃子店は本当にバリエーション豊か。餃子は焼き上がるまでに時間がかかるので、特に、おつまみが充実しているお店は重宝しています」

神戸の街並みを背景にしたファッションイラストにもチャレンジしたい

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2012年から通信講座や画塾で絵の勉強をはじめたこもりさん。2019年には、東京と神戸で個展「こうべのこどもたち 1995-2020」を開催するなど、ネット上以外にも活躍の場も。そんなこもりさんの今後の展望について尋ねると、生き生きとした表情でこう答えてくれました。

「今後はファッションイラストを描きたいです。例えば、異人館街や南京町、相楽園など、神戸には和洋中いろいろなファッションが似合う街並みがありますよね。そういう場所を背景に、そこに映える服を描いていく。神戸は着物が似合う街だとも思っているので、フリルやレースなど現代っぽいアレンジの着物イラストにもチャレンジしてみたいです」

そのほか「コロナが落ち着いたら、神戸の餃子巡りを再開して、餃子の紹介イラストを描いたり、写真を撮ったりしてSNSなどで発表するという構想もあります」と、こもりさんの夢は尽きません。コロナ禍で現地へ赴くことが難しいいま、こもりさんのイラストを見て神戸に思いを馳せてはいかがでしょうか。

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