神戸のシュトレンで お家で楽しむクリスマスを!

近年、クリスマスシーンになると、ブランジュリーやパティスリーでも見かけるようになったシュトレン。発祥の地はドレスデンと言われ、最古の記録は1329年、現在のザクセン地方にあるナウムブルクの司教へのクリスマスの贈り物だと文献に残っているそうです。日本では、1969年に福岡県の老舗洋菓子メーカー千鳥饅頭総本舗がシュトレンのレシピをドイツから持ち込み、売り出したのが最初だと言われています。

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ドイツでは定番のクリスマスのお菓子、シュトレン。

神戸にシュトレン文化を根付かせた、フロインドリーブの「シトーレン」

兵庫県で最初にシュトレンを作ったのは、1924年創業、神戸に店を構える「フロインドリーブ」。創業者であるハインリッヒ・フロインドリーブ氏が、神戸に故郷の文化を伝えたい...という思いで作り始められました。その後、神戸にはクリスマス前にシュトレンを作るブランジュリーやパティスリーが増え、個性豊かなシュトレンが並ぶようになりました。今では神戸には、クリスマス前から少しずつシュトレンを切り分けて食べる文化が根付いています。

今回は、フロインドリーブ創業者のお孫さんである三代目ヘラ・フロインドリーブ上原さんと息子さんの上原 嘉恒ハインリッヒさんにシュトレンについてお話を伺いました。

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左:上原 嘉恒ハインリッヒさん、右:ヘラ・フロインドリーブ上原さん

――「フロインドリーブ」のシトーレンのはじまりは?

ヘラさん:うちがシトーレンを作り始めたのは、多分、創業から少し経ってから。パン職人だった祖父が作り始めて、その後パティシエの父も伝統を受け継ぎながら作っていました。今は、定番のサイズは3サイズですが、昔はサイズももっとたくさんあって...。3キログラムのこーんな大きなシトーレンなんていうのもあったんですよ。

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1.5kgのシトーレンは家族でクリスマス期間中長く楽しめそう。8,100円(税込)

ハインリッヒさん:シトーレンは、家族で楽しむためのもの。ドイツをはじめ、ヨーロッパでは、クリスマスに家族や親戚が集うのが慣習なので、大きなサイズのシトーレンは一般的だったと思います。

ヘラさん:大きさなサイズのシトーレンは毎年買ってくださるお客様がいて...。注文していただければお作りします(※2020年は受付終了)。今は500gと1kgサイズが一番よく売れます。

――1キロサイズも大きいですね。ヘラさんの子供時代のクリスマスはどんなでしたか?シトーレンを切り分けて楽しんだり?

ヘラさん:はい。母が、アドベント(クリスマスの4週間前)になると燭台にキャンドルを4つ飾って、1週間ごとに1つずつキャンドルに火を灯したり、母と一緒にスパイスクッキーを作ったりして家族でクリスマスの準備を楽しんでいました。シトーレンはアドベントの日曜から少しずつスライスして食べていました。そもそも、シトーレンは、生のフルーツがなかった冬の日持ちのするお菓子として親しまれていたものなんですよ。

ハインリッヒさん:ドイツではシトーレンの定義があって、30%以上のバター(練り込み用)と、60%以上のナッツとドライフルーツが生地に練りこまれていないとシトーレンと呼んではダメなんです。「フロインドリーブ」のシトーレンも、ドイツスタイルに則って作っています。

ヘラさん:中に入れるナッツやドライフルーツは、昔とは少しずつ変わってきています。昔は、ドレンチェリーやマラスキーノチェリー、ルヴァーブなどもブレンド、スパイスも使っていて、見ためも華やかだったんですよ。

ハインリッヒさん:今はスパイスは入れず、幅広いお客さまに楽しんでいただけるような味わいに仕上げています。

ヘラさん:そう。シンプルで食べやすいんです! ドイツの製法を基軸に神戸スタイルのシトーレンですね。

ハインリッヒさん:「フロインドリーブ」のシトーレンは、ドライフルーツをラム酒に漬け込む6月から準備が始まっています。9月半ば頃から、耐火煉瓦の窯でじっくり焼き上げているシトーレンは、販売スタートの11月には熟成されて食べ頃です。作る数は4万3000本になります。

ヘラさん:今年はお家で、ファミリーでクリスマスを過ごす人も多くなりそうですね。

ハインリッヒさん:ぜひ、シトーレンのあるクリスマスを楽しんでください!

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「シトーレン 500g」 2,700円(税込)。販売期間:11月1日〜(なくなり次第終了)  予約可能(お早めに)

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フロインドリーブ
住所:神戸市中央区生田町4-6-15
☎︎078-231-6051
営業時間:10:00~19:00(カフェ~LO18:30)
定休日:水曜 (祝日の場合、翌日木曜)


まだまだあります!神戸のおすすめシュトレン

神戸の人気ブランジュリでは今の季節シュトレンを数多く見かけます。お家で楽しんだり贈り物にしたり...、いろんなお店のシュトレンを買って、食べ比べも楽しそう!


原田パン

「洋酒にじっくり漬け込んだドライフルーツとクルミ、アーモンドをたっぷり練り込みました。サックリとした食感、程よい甘さのシュトレンです。スパイス不使用でお子さまでも食べやすい仕上がりになっています」(3代目原田稔久さん)

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「シュトーレン」1,728円(税込) 販売期間:11月末頃~12月25日 予約可能
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原田パン
住所:神戸市長田区六番町7-2
☎︎078-577-2255
営業時間:7:30~20:00
定休日:無休


ブーランジェリービアンヴュニュ

「シュトレン、今年からマイナーチェンジしました。これまでは棒状に入れていたマジパンを今シーズンからは生地に練りこんで作っています。これまで以上に、しっとりとした生地に仕上がりました。大納言小豆、クリ、粒あん入りの『抹茶と栗のシュトーレン』、オレンジピール、クランベリー、ピスタチオなどのナッツ類、チョコチップをたっぷり配合した『チョコシュトーレン』、オレンジ、クランベリーなどのドライフルーツとローストしたナッツをふんだんにブレンドし、シナモン香るプレーンの3種を、ぜひ食べ比べてみてください!」(オーナーブーランジェ大下尚志さん)

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(上)「プレーンシュトーレン」、(左下)「チョコシュトーレン」、(右下)「抹茶と栗のシュトーレン」。
いずれも2,750円(税込) 販売期間:11月中旬〜(なくなり次第終了) 予約可能

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ブーランジェリービアンヴュニュ
住所:神戸市東灘区御影1-16-15 エクセレンス御影1F
☎︎078-771-2866
営業時間:8:00~19:00(コロナウィルス対策期間中10:00~17:00)
定休日:日曜


ブーランジェリーメゾンムラタ

「有機栽培のサルタナレーズンや愛媛県産の柚子ピールなどのドライフルーツは福井県の常山というフルーティーな日本酒に漬け込むところも特徴の一つです。生地は、全粒オーガニック小麦を使用しているので一般的なものより一回り小さいですが味濃いシュトレンになっております」。 (オーナーブーランジェ村田圭吾さん)

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「クラシックシュトーレン」 2,000円(税込)※ハーフサイズは1000円(税込)  販売期間:11月19日頃~12月中旬(売り切れ次第終了) 予約可能
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ブーランジェリーメゾンムラタ
住所:神戸市兵庫区小松通2-3-14
☎︎078-587-3977
営業時間:7:15~17:30(日曜は~14:00)
定休日:月·水曜


12月の足音が聞こえてきたら、神戸のブランジュリーやパティスリーにもシュトレンが並びはじめます。神戸のお店でお気に入りのシュトレンを探してみてくださいね。



【文・写真】いなだみほ(ライター)
赤穂生まれ、神戸暮らし。お菓子、パン、雑貨などを中心に雑誌、ウェブなどで取材執筆。著書に「東京最高のパティスリー」(ぴあ)、編集から携わったムック「神戸のおいしいパン屋さん」、「神戸紅茶さんぽ」、「神戸土産の新定番」(共にグラフィス社)など。そのほか神戸を中心に、スイーツやパンのイベント「てくてくパンまつり」のショップセレクトなどにも携わる。


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