異人館だけじゃない!多種多様な「宗教施設」が共存する神戸北野でダイバーシティを感じる街歩き
- エリア:
- 所要時間:
-
- 3~4時間
各線 三宮駅
徒歩【5分】
生田神社
神戸三宮から徒歩数分の繁華街に佇む、1800年以上の歴史を誇る生田神社。
地元では親しみを込めて「生田さん」と呼ばれており、安産祈願や恋愛成就など、縁結びのご利益があるパワースポットとして多くの人々が訪れます。
実は、「神戸」という地名の由来もこの生田神社にあるのです。かつてこの一帯は生田神社の社領=神戸(かんべ)であり、それが地名として定着したといわれています。
社殿は神戸大水害(1938年)、神戸大空襲(1945年)、阪神・淡路大震災(1995年)など幾度もの災難に見舞われながらも、その都度復興を遂げてきました。
古くから神戸の地を守り、そして世界から多くの人々を迎え入れてきた生田神社から、宗教施設巡りの旅をスタートしましょう。
生田神社
- 住所
- 神戸市中央区下山手通1丁目2-1
- URL
- https://ikutajinja.or.jp/
徒歩【5分】
カトリック神戸中央教会
生田神社から北へ向かうと、異人館で有名な北野エリアへと入ります。
現在「カトリック神戸中央教会」があるこの場所には、かつて立派なゴシック風聖堂をもつ「旧中山手カトリック教会」がありましたが、1995年の阪神・淡路大震災で半壊。
その後、被災した周辺の3つの教会(灘、下山手)と統合されてカトリック神戸中央教会となり、2004年に現在の聖堂が建てられました。
三位一体とノアの箱舟をイメージしたモダンな外観で、内部にはイエスの物語をたどる14枚のステンドグラスから明るい光が差し込む静寂な空間が広がっています。
旧カトリック中山手教会の正面にあったステンドグラスも移設されています。
※ 教会行事(ミサや結婚式等)が行われている場合をのぞき内部見学可
カトリック神戸中央教会
- 住所
- 神戸市中央区中山手通1丁目28-7
- URL
- https://peraichi.com/landing_pages/view/aktaa
徒歩【3分】
神戸ムスリムモスク
カトリック教会から西へ200mほど歩くと「神戸ムスリムモスク」が現れます。
モスクとはイスラム教の寺院のことで、神戸周辺に住むムスリム(イスラム教徒)はもちろん、観光で神戸を訪れるムスリムが日々礼拝に訪れます。
1935年に建てられた日本最古のモスクで、空襲や震災を乗り越え、今も当時の姿を残しており、緑のドームとミナレット(塔)が印象的な外観は、異国情緒あふれる神戸の街並みの中でもひときわ目を引きます。
内部は、伝統的なイスラム様式で装飾されており、立派なシャンデリアやびっしり敷き詰められた絨毯は、神聖で重厚な雰囲気。
日の出から日没まで1日5回の礼拝(※1)が行われていますが、注目したいのは毎週金曜日のジュマーという集団礼拝の時間帯。この日は関西各地からムスリムの人々が家族や友人と訪れ、祈りを捧げます。
周辺には、ハラル食品(イスラム教の戒律に則った食品)を販売するお店や飲食店も点在しています。
※ 礼拝時間中をのぞき内部見学可、団体の場合は要予約
神戸ムスリムモスク
- 住所
- 神戸市中央区中山手通2-25-14
- URL
- http://kobe-muslim-mosque.com/
徒歩【5分】
海外移住と文化の交流センター
モスクから西へすぐのトアロードにある「海外移住と文化の交流センター」は、かつて「国立移民収容所」として機能していた建物です。
20世紀初頭から戦後にかけて、多くの日本人が神戸港から海外へ移住しました。
1928年に開設された国立移民収容所は、1971年に閉鎖されるまで、南米を中心に多くの移住者を海外へ送り出す拠点として重要な役割を果たしました。
2009年に再整備された「海外移住と文化の交流センター」では、当時の資料や写真などを展示する移住ミュージアムとして、移民の歴史を学ぶことができます。
また神戸に住む外国人支援のための拠点としても機能しており、神戸における多文化共生の歩みを伝えるパネル展示もあります。
多文化共生について、より深く理解したい方におすすめのスポットです。
海外移住と文化の交流センター
- 住所
- 神戸市中央区山本通3丁目19−8
- URL
- https://www.kobe-center.jp/
徒歩【5分】
神戸シナゴーグ
海外移住と文化交流センターから東へ進むと、シンプルな白い建物が現れます。関西唯一のユダヤ教のシナゴーグ(会堂)です。
「神戸シナゴーグ」は、1937年に設立された日本最古のシナゴーグで、第二次世界大戦中にはユダヤ人難民を受け入れる人道支援の拠点として機能しました。
ナチスドイツの迫害を逃れた多くのユダヤ人が、杉原千畝の命のビザによって、シベリア経由で敦賀港に上陸。
日本での滞在には身元保証人が必要でしたが、当時の神戸ユダヤ共同体(神戸ジューコム)が身元保証人を引き受け、多くの難民が神戸に滞在、その間の衣食住や情報提供など、様々な支援も行ったのです。
また神戸の人々もユダヤ人難民を温かく迎え入れ、交流を深めたと伝えられています。
その後、多くのユダヤ人は新たな生活を求めて神戸を離れましたが、シナゴーグは現在も関西在住のユダヤ人のコミュニティ拠点として重要な役割を果たしています。
当時のシナゴーグは現在の場所から南東に数分の場所にあり、神戸大空襲で焼失しましたが、跡地には案内板が設置されています。
館内に入らずとも外観のダビデの星やヘブライ語のサインを垣間見るだけでも、日本とユダヤの歴史について深く考えるきっかけになるでしょう。
※ 内部見学の場合、英語による事前予約が必要
神戸シナゴーグ
- 住所
- 神戸市中央区北野町4丁目12−12
- URL
- https://www.jcckobe.org/
徒歩【3分】
バグワン・マハビールスワミ・ジェイン寺院
西インドに起源を持つジャイナ教は、厳格な菜食主義と不殺生の教えで知られる宗教です。
1985年、神戸在住のジャイナ教徒たちによって建立されたバグワン・マハビールスワミ・ジェイン寺院は、北野異人館街の独特な雰囲気に溶け込みながら、エキゾチックな存在感を放っています。
インドから取り寄せた純白の大理石で作られた寺院は、繊細な彫刻やきらびやかな金属の扉など、インドの伝統建築様式を忠実に再現しています。
なお北野エリアには、日本有数のインド人コミュニティがあり、本場感あふれるインド料理を提供するレストランも点在。
街歩きでお腹がすいたらインド料理を味わって、北野の異国情緒を存分に堪能してみてはいかがでしょうか。
※ 拝観時間:日曜・祝日 13:00~15:00 もしくは事前予約
バグワン・マハビールスワミ・ジェイン寺院
- 住所
- 神戸市中央区北野町3-7-4
徒歩【3分】
北野天満神社
180年に平清盛によって建立された北野天満神社は、学問の神様・菅原道真公を祀る「北野」の地名の発祥となった神社です。
毎年境内で行われる「北野国際まつり」では、神戸の各宗教の関係者が集い、それぞれの祈りの作法で世界平和を祈念する、心の国際交流が繰り広げられます。
1981年から開催されているこの祭りは、宗教的な多様性を尊重し、世界平和を願う人々を繋ぐ、まさに先駆的な取り組みと言えます。
境内からは、神戸の街と港を一望でき、多様な文化が息づく神戸北野の街を象徴する存在でもあります。
北野天満神社
- 住所
- 神戸市中央区北野町3丁目12
- URL
- http://www.kobe-kitano.net/
徒歩【5分】
神戸バプテスト教会
1950年に米国南部バプテスト連盟より宣教師が神戸に来たことによって始まった神戸バプテスト教会。
神戸を代表する洋画家でクリスチャンでもあった小磯良平の邸宅の敷地を譲り受けて、1952年に建てられた教会が現在も残っています。
装飾を省いたシンプルで明るいコロニアル様式の建物で、まるでそこだけがアメリカ南部の街角かのような雰囲気。
※ 礼拝参加等での見学可(HPのスケジュール参照)
神戸バプテスト教会
- 住所
- 神戸市中央区山本通1丁目7−27
- URL
- http://www.kobe-church.com/
徒歩【3分】
神戸ハリストス正教会
青い玉ねぎ型の屋根と、その上に建てられた正教会の八端十字架が印象的な「神戸ハリストス正教会」。
正教会は東ヨーロッパを中心に広がったキリスト教の一派で、神戸には1873年頃に伝来。
その後、ロシア革命で日本に亡命したロシア人たちが、この地に心のよりどころを求めて教会を建設しましたが、神戸大空襲で教会は焼失。
それにかわって1952年、日本にバレンタインを広めた神戸のチョコレートメーカー『コスモポリタン』を営むロシア人実業家・V.モロゾフ氏らの尽力によって現在の聖堂が建てられました。
※ 礼拝時間は見学可(HPのスケジュール参照)
神戸ハリストス正教会
- 住所
- 神戸市中央区山本通1丁目4−11
- URL
- https://www.eonet.ne.jp/~ocj-kobe/index.html
徒歩【5分】
各線 三宮駅