「ジャズ=大人の音楽」は本当?神戸で打ち込む若者に聞いた、その魅力とは
神戸は、日本におけるジャズ発祥の地と言われています。
1923年に日本人初のプロジャズバンドが、旧神戸オリエンタルホテルでジャズを演奏したことに由来するそうです。

本コラムでもこれまで、ジャズに関する記事をいくつか配信してきました。
記事でジャズを扱う回数を重ねるほど、今さらですが頭の中に「そもそも、ジャズってどんな音楽なんだろう?」という素朴な疑問が湧いてきた筆者。
クラシック音楽と違う、ということはわかります。でも言葉で表すのは難しい……。調べるうちに、神戸でジャズに打ち込む若者たちに出会いました。
どんな音楽が「ジャズ」なの?
インターネットで「ジャズとは」と検索すると、こんな回答が表示されます。
うーん……。定義はそうなのかもしれませんが、ちょっとピンとこないですよね。もっと、腑に落ちる答えがほしい!
そこで、官民が一体となった“オール神戸”でジャズを推している、「ジャズの街神戸」推進協議会の高梨さんに聞いてみました。

――高梨さんは、ジャズってどんな音楽だと思いますか?
高梨 特別な知識がなくても、演奏を聞いて思わず体が揺れてしまうような、自然に楽しめる音楽だと思っています。
昨年、東遊園地で開催されたジャズイベントで、小さな子どもが音楽に合わせてお尻をフリフリしていたんです。それを見て、「これこそジャズだ!」と膝を打つような思いでした。
そのうえでジャズは、楽譜という共通の土台がありながらも、その場の空気や演奏者どうしのコミュニケーションによって、即興で音楽が形づくられる自由さやライブ感が、最大の特徴です。
――たしかに、即興演奏が特徴というのはよく聞きます。
高梨 ジャズ関係者の方と話していても、みなさん「もっと自由に楽しんだらいいんだよ」と仰います。格式ばらなくていいというか、気負わずに楽しめる音楽だと感じています。
ジャズは成熟した大人のもの?
――気負わずに楽しめる一面もあるということですね。ジャズって、演奏している人も聞いている人もミドルエイジ以上が多くて、なんとなく「成熟した大人だからこそわかる音楽」なのかと思っていました。
高梨 わかります。私も仕事で担当するまでは、そのイメージが強かったです。でも実は、ジャズに打ち込む若者もたくさんいるんですよ。
神戸文化ホールでは毎年8月にジャパン・スチューデント・ジャズフェスティバルという中高生のジャズコンテストが開催されていて、2025年で40回を迎えました。いわば“ジャズの甲子園”です。
-2-1024x683.jpg)
現在、プロとして活躍するジャズトランペットプレイヤーの広瀬未来さん、ジャズサックスプレイヤーの高橋知道さんも、高校生のときにこのジャズフェスティバルに参加して出会ったそうなんです。
そのときの興奮を、神戸文化ホール50周年「ともしびラジオ」で語ってくれています。
――広島から出てきた高橋さんが、神戸の広瀬さんを見て「広瀬じゃー!(広瀬くんや!)」と声をかけた興奮、いかにも高校生の青春という感じで、聴いているだけでワクワクしますね。
高梨 そうでしょう? 実は「ジャズの街神戸」推進協議会は、ジャズに打ち込む若者たちを応援しようと、「神戸ユースジャズオーケストラ」を結成しているんです。
ちょうど次の演奏会に向けて、中央区の文化センターで中高生が練習しているので、ぜひ見に行ってみてください。
神戸ユースジャズオーケストラとは?
ということで、高梨さんに教えてもらった神戸ユースジャズオーケストラの練習会場にやってきました。
神戸ユースジャズオーケストラは、神戸市近郊に住んでいる小学5年生~高校3年生を対象にしたバンド。前述の広瀬さんや高橋さんなどプロの指導を受け、神戸やその近郊のジャズイベントにも積極的に参加します。

現在の団員は21人ですが、10人以上の講師が交代で携わっていて、この日も6人の講師が楽器ごとに指導をしていました。
月5000円のレッスン料でこの手厚い体制! ジャズを盛り上げたいという“オール神戸”の姿勢に感銘を受けました。


ユースジャズのメンバーのうち中学3年生の2人に、ジャズを始めたきっかけや、ジャズの魅力を聞いてみました。

■ジャズを始めたきっかけ
森さん 小学生の頃に住んでいた京都で、消防音楽隊の「追っかけ」をしてたんです。その頃からサックスに憧れていて、人に勧められたこともあり始めました。
6年生のとき、母に神戸ユースジャズ募集のことを教えてもらって入りました。当初は「ジャズって何?」だったんですが、やってみるととても楽しくって。
外間さん 小学生のとき、ゲーム「太鼓の達人」がきっかけで打楽器を始めました。新型コロナウイルスの流行中で、他の人と楽器を合わせる機会がなかったから、ユースジャズの募集を見て入りたいと思いました。ジャズを始めたのは加入がきっかけです。

■ジャズの魅力・楽しさ
森さん 演奏するたびに、毎回楽譜通りじゃなくて途中でアドリブを入れたりして、即興性があるところが好きです。
外間さん メンバー全員で、音を合わせて1曲を作り上げるところです。
■好きなジャズナンバー
森さん After You’ve Gone
外間さん Swingin’ At The Haven
ジャズというジャンルを始めたのは入団がきっかけだった2人ですが、今ではすっかりジャズを聴くのも、演奏するのも楽しんでいます。高校に進学しても、ジャズを続けていきたいそうですよ!
*神戸ユースジャズオーケストラは、メンバー募集中です!

春の街を、軽やかな音楽とともに
ジャズは、成熟したかっこいい大人はもちろん、若い人も自由に楽しめる音楽なんだ! そう知ったところで、ジャズに気軽に触れられるイベントを案内します。
4月5日(日)の午後に、旧居留地の三井住友銀行神戸営業部前でKOBE JAZZ DAY 2026(神戸ジャズデイ2026)が開催されます!

上で紹介した神戸ユースジャズオーケストラを始め、4つのバンドが13時から17時までジャズを奏でています。
わざわざコンサートやライブハウスに行かなくても、お買い物などの通りすがりに、気軽にジャズを楽しむことができます。
昼間にジャズを聴いたら、続いて夕方からはバーに繰り出す休日にしてはいかがでしょう? その際には、KOBE BAR MAPや本コラムの過去記事も参考にしてくださいね。

「ジャズの街神戸」推進協議会の高梨さんが、こう言っていたのが印象に残っています。
「ジャズに限らず文化を次世代につなげるためには、プレイヤーだけでなく、演奏の場や聴き手の存在も含めて、総合的に支えていくのが大切なんじゃないかなと感じています」
そうか、私たちが「文化の受け取り手」としてジャズをめいっぱい楽しむことが何よりの応援になるんだな、という気づきをもらった気がします。 4月5日、春風に誘われてぶらぶらと旧居留地を歩いてみませんか。
INFORMATIONインフォメーション
| 「ジャズの街神戸」推進協議会 | |
|---|---|
| KOBE JAZZ DAY 2026 | https://event.city.kobe.lg.jp/event/9n5yS0GjlQYsOcqcxgc5 4月5日(日)13:00~17:00 @三井住友銀行神戸営業部前 |
【ライタープロフィール】
合楽 仁美(ごうらく ひとみ)
神戸出身&在住のライター。経済メディアNewsPicksなどで活動。
2025年3月まで神戸市公式noteのライターを務めた。
お酒は弱いが酒場の雰囲気が好きで、数年前からバー巡りに凝っている。
縁側があって海の見える家に住むのが夢。