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意外に合う? ウスターソース×BARのコラボイベントに潜入!

神戸のソース会社、オリバーソースが企画した「神戸BAR×ウスターソースプロジェクト」が、2025年の10月から今年2月までおこなわれていました。

ウスターソースとバー(お酒)の組み合わせ。「それって合うの?」「本当に美味しいの?」と不思議に感じる方も多いことでしょう。

そこで、2月22日に開催されたイベント「バーで発見!洋酒とスパイスのマリアージュ ~3年熟成ソースの『旨味』で味わう、神戸ならではのバー巡り~」に潜入して、ウスターソースとバーの「リアル」を探ってきました!

*イベントの詳細はこちら(企画は終了しています)

3年も熟成させたウスターソース

洋食に欠かせないウスターソース。一般的に売られているウスターソースは寝かせる製法ではないのですが、野菜や果物、香辛料が原料のため、熟成させると美味しいのだそうです。

そして神戸市内には、ソースメーカーがたくさんあります。その理由は、神戸港の開港で早くから洋食文化が花開いたから。同じく開港で洋酒文化が根づいて「バーの街」と言われる神戸ですが、実は「ソースの街」でもあるんですね!

「神戸はソースの街」だということを、もっと多くの人に知ってもらいたい! その思いを込めて、オリバーソースはあえて手間暇をかけた3年熟成ウスターソース CLIMAX「神々による進化」を開発しました。

オリバーソース公式サイトより

イベントでは、オリバーソース社長の道満龍彦(どうまん・たつひこ)さんが熟成ソースの開発意図を解説しました。それにしても、なぜバーとのコラボを思いついたのでしょう?

オリバーソースの道満社長

道満さんは「熟成」というワードから、ワインやウイスキーなど、熟成したものに価値を見いだすバー文化を思いついたといいます。

そこでソースのボトルも洋酒を意識した、バーに置いても遜色ないようなデザインにしました。
そしてコラボのもう一つの理由は、バーのスタンダードカクテルの中に、ソースを使ったレシピがあるからです。
(*スタンダードカクテル=共通レシピがあり、どのバーでも飲める定番カクテル)

ソースを使ったトマトのカクテル

そのカクテルの名前は、ブラッディ・メアリー。ウォッカをトマトジュースで割ったカクテルですが、多くのバーではウスターソースを加えて提供されています。

一般的にはイギリス製のソースが使われますが、道満さんは「バーの街・神戸で飲むブラッディ・メアリーには、神戸産のプレミアムなソースを使ってほしい」と思い、コラボを仕掛けたというわけです。

そのプレミアムなブラッディ・メアリーをイベントで提供してくれたのが、三宮・生田神社の近くにあるBar  Andante(バーアンダンテ)です。

マスターの赤井献治さん

もともとこのバーでは、ブラッディ・メアリーが看板メニューの一つ。

というのも、通常は市販のトマトジュースを使うところ、この店ではアメーラトマトというフルーツトマト2個を、注文を受けるたびにすりおろして使うからです。

ウォッカにもベーコンを浸け込み、昆布や椎茸からとった出汁も入れて…とこだわった一品。さらに、普段のソースを3年熟成ウスターソースに替えた極上の1杯をいただきます。

見た目にも鮮やかで気分が上がりますね

参加者からも「美味しい」「フルーツを飲んでいるみたい」と大好評でした。

イベント限定のオリジナルメニューも

神戸のいろいろなバーを知ってほしいので、今回のイベントでは2軒のバーを巡りました。

次に訪れたのは、バーテンダーの三池智美(みいけ・ともみ)さん、シェフの尾形剛(おがた・ごう)さんが夫婦で営む、ご飯も食べられるBAR alf(バー アルフ)です。

オリバーソースの道満社長、バーテンダーの三池さん、シェフの尾形さん

どんなお酒やフードが提供されるのかな? と楽しみにしていたら、参加者の目の前にまず置かれたのは、小さなスプーンが3本ずつ。これで

 ・通常のウスターソース(オリバーソース製)
・3年熟成ウスターソース
・ブラッディ・メアリーに一般的に使われるイギリス製のソース

の3種の舐め比べをします。

参加者のみなさんによると、味は3種それぞれ「全然違う!」とのこと。

イギリスのソースは酸味があり、3年熟成ソースは通常のウスターソースに比べてコクがあって醬油に似たような味わいがあるそうです。

他のソースとの違いを体感したところで、突き出しの冷製スープが出てきました。最初はそのまま飲み、途中で3年熟成ソースを1~2滴加えて「味変」を楽しみます。

バーテンダーの三池さんは、本イベントのために3年熟成ソースを使ったオリジナルのカクテルを3種類も考えてくれました。

そのうちの1つが、タリスカーというウイスキーを使ったハイボール。グラスの縁をソースで濡らし、黒胡椒でスノースタイルにします。

(*スノースタイル=グラスの縁に塩や砂糖など、粉末をつける手法)

もともとスモーキーなハイボールが、ソース&黒胡椒でさらに香り豊かになっていて驚きです。

他には、赤ワインをジンジャーエールで割ったカクテル「キティ」や、ウォッカとコーヒーリキュールのカクテル「ブラックルシアン」にソースを垂らすアイデアを考案。

変な味になってしまうのでは…と少し心配しましたが、これが意外にも合うんです。

左:キティ、右:ブラックルシアン

そして尾形シェフ特製の前菜盛り合わせも、この日のための特別アレンジ。

なんと、真ん中にあるのは「ミニのり弁」なんだそう! ご飯におかか、海苔の上に白身魚(たら)のフライ。ここに、3年熟成ソースをたっぷりかけていただきます。

フライはともかく、ご飯にソースがかかって大丈夫?と思いきや、醤油に近い味わいのソースなので見事に融合していたのだとか!

お二人の発想の豊かさとアイデアを形にする技術に、思わず唸ってしまう時間でした。

バーのハードルを下げる機会にも

ゆったりとお酒や会話を楽しむバー(BAR)は、憧れを抱きつつも最初の一歩を踏み出すのに勇気のいる場所かもしれません。

その「はじめの一歩」の後押しをしたい目的もあった本イベント。実際に「バーの行くのは初めて」という参加者もいらっしゃいました。

そのため、アンダンテでは赤井マスターがバーでのマナーや注文の仕方といった「バーの楽しみ方」を、オリジナル資料付きでレクチャーする時間も。

「お酒を飲めない方にも、ノンアルコールカクテルをお作りできます。飲めない常連さんで『いつもの』とおっしゃる方もいますよ」と赤井さんが言うと、参加者のみなさんは驚くとともに、ホッとした空気に。

入店時は緊張していたみなさんでしたが、バーテンダーのお話と美味しいドリンクで場の空気がほぐれ、たくさん質問が出たり1人参加の方がお隣と自然に会話を交わしたり。

バーが初めてだったという参加者の女性は、こんな感想をくださいました。

「自分の中で壁のように高かったバーのハードルが、かなり低くなりました。バーってこんなに楽しいんですね。安心して楽しめる場所だとわかって、またお友達と来てみたいと思いました」

アルフの三池マスターもアンダンテの赤井マスターも、きっと他店のバーテンダーも、みなさん口を揃えて「いろんなバーに行ってみたらいいですよ。自分好みのお店を探してくださいね」と言います。

自分の店に囲おうとせず、バー文化全体を盛り上げたいというバーテンダーの心意気も素敵ですね。

この記事を見てバーが気になったら、ぜひバーの扉を開けてみてください。きっと安心とホスピタリティに包まれた時間を過ごせると思いますよ。

INFORMATIONインフォメーション

3年熟成ウスターソース CLIMAX「神々による進化」

https://www.oliversauce.com/climax_ws/

BAR alf

https://baralf.com/

Bar Andante

https://bar-andante-kobe.com/

【ライタープロフィール】
合楽 仁美(ごうらく ひとみ)
神戸出身&在住のライター。経済メディアNewsPicksなどで活動。
2025年3月まで神戸市公式noteのライターを務めた。
お酒は弱いが酒場の雰囲気が好きで、数年前からバー巡りに凝っている。
縁側があって海の見える家に住むのが夢。