2026.02.13
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ゆるりらと 神戸と出会う!~素直さと遊び心~

神戸を拠点に、日々の光や、誰かのおまもりになるように絵を描いています。
画家・イラストレーターの みしまあきひろ です。
まち歩きや散歩は、アイデアの原点。
この連載では、絵を描く手前にある視点を綴っていきます。
ちょっと力を抜いて、神戸を歩いてみませんか。「ゆるりらと」。
自分の中では、そんな言葉がしっくりくる歩き方です。
今日は須磨へ、寄り道するように。
このシリーズでは「ゆるりらと 神戸と出会う」というテーマで神戸のまちを歩いてみます。
須磨は、自分が生まれ、慣れ親しんできたまちです。
何度も歩いてきた道なのに、ふとした瞬間に、少し違って見えることがあります。大河ドラマで源平合戦の場面に須磨の名が出てくると、
「あ、ここだ!」と、歴史の上に立っているような気持ちになって、なんだか少しわくわくします。
須磨は「源氏物語」の舞台としても知られていますね。
都の華やかな暮らしから離れ、主人公の光源氏さんがひとり自分と向き合う場所。人生の途中で、立ち止まることを許されたような時間が流れていたのかもしれません。
そんな須磨を、今日は寄り道するように歩いてみました。
さて、どんな人や場所、気配に出会えるのでしょう。
神戸在住の画家、イラストレーター。絵を通して様々なコミュニケーションを介して作品を制作活動をしています。何気ない目線、人やまちとのふとした出会い、自然に文化と出会える心地の良い風が吹く、神戸をお届けいたします。
すまうら文庫 (須磨区)
JR 須磨駅近くの住宅の中、踏切から少し山側にある船の形の建築物が現れます。
そこはすまうら文庫という場所で、中に入ると高い天井に木の温もりを感じる棚、沢山の絵本に囲まれて物語の中に包みこまれているみたいです。
本が置いてる場所ってなんだか落ち着きますよね。
本を読むという行為だけでなく、
ただ本が在るというだけで妙な安心感があるのは私だけでしょうか。
ここで、すまうら文庫のはじまりのお話を聞かせていただきました。
すまうら文庫は 1978 年、いまとは違う場所から始まったそうです。
近所の小学校で「こどもの本を読む会」に参加したこと。
量り売りの油屋さんをされていた頃、好きな本を置きはじめたこと。
そんなきっかけが、重なっていったと話してくださいました。
大人が選んだ本や、勉強の延長にある本だけでなく、
「こどもの気持ちを大切にしたい」。
その言葉が、とても静かに熱く残りました。
小さい頃の自分にとって、読書はどこか少し遠いものでした。
でも、ここでは肩の力を抜いたまま、本と出会えそうです。
純粋に、こどもたちが本と出会える。
そんなあたたかな空気が、部屋いっぱいに広がっていました。

すまうら文庫の外には、小鳥がやってきそうな、バードハウスみたいな本棚があります。
思わず足を止めて、しばらく眺めてしまいました。
「KOBE 本の小箱 ~ Little Free Library ~」。
本を通して、まちの中にゆるやかなつながりをつくる取り組みだそうです。
ひとりで読んでいた本が、いつのまにか誰かへ渡っていく。
そんな本のバトンを想像すると、心がじんわりあたたかくなります。
神戸のまちの、ほかの場所にもあるそうで。
森の中を歩くみたいに、いろんな場所で、この小さな箱に出会ってみたくなりました。
すまうら文庫
| 住所 | 神戸市須磨区須磨浦通 4 丁目 5-11 |
|---|---|
| アクセス | 「須磨」駅・山陽「須磨」より徒歩約 5 分 |
| 営業時間 | 第 1・第 3 土曜日の午後 |
| https://www.instagram.com/sumaurabunko |
Sobi (須磨区)
冬の空は暗くなるのが早いですね。今日という日が先に帰ろうとしているみたいです。
少し急かされる様に感じながらもあたりは暗くなってきました。
妙法寺川を歩いた道を抜けて、道路に出た先。
暖色の、やさしく光るあかりが目に入りました。
気づけば、そのまま近づいていました。素敵なお店です。

珈琲屋さん? それとも本屋さん?
わからないけれど、こういう時はだいたい、扉を開けてしまいます。
どんな場所なんだろう。どんな本が並んでいるんだろう。
本棚を横目に、珈琲とケーキを頼みました。
少し遅めのティータイム。
でも、これはこれでいい時間だなと思いながら、店主さんと話していると、
「Homo Ludens(ホモ・ルーデンス)」という言葉が出てきました。
人は、遊びから文化を生み出していく。
「Sobi」という店名は、その「遊び」から名付けられたそうです。
珈琲屋さんと本屋さん。
ふたつを重ねたらおもしろいかもしれない。
そんな遊び心から生まれた場所だと聞いて、すっと腑に落ちました。
ここに並ぶ本は、すべて店主さんのセレクト。
個人がつくった本も、出版社から出ている本も、自然に混ざり合っています。
選ぶときに大切にしているのは、「本との出会い」だそうです。
読書は、普段あまり本に触れない人にとっては、少しハードルが高いもの。
だからこそ、装丁やタイトルから、遊びにつながる本を選んでいると話してくれました。
そんな本の並びを、ぼーっと眺めながら、
気の向くままに本を手に取って、珈琲を飲む。
この時間が、とても心地いいんです。
そして、ケーキもおいしい。
何かを考えすぎなくていい、リラックスタイム。
ここでは「本の問い」というイベントも、定期的に行われているそうです。
毎回ひとつのテーマを置いて、ゆるやかに問いを投げかける。
本を通して、誰かと関わるための、静かなあかりがここにはある。
これも、ひとつの「遊び」なのかもしれません。
ひとつのテーマについて、誰かと話す時間。
そういう場に、ふと身を置いてみるのも、いいなと思いました。
Sobi
| 住所 | 神戸市須磨区大田町 7 丁目 3-2 1F |
|---|---|
| アクセス | JR「鷹取」駅より徒歩 6 分 |
| 営業時間 | Open 水 木 金 土 12:00-21:00 Close 日 月 火 ※第一日曜日 13:00-17:00 |
| https://www.instagram.com/sobi.suma |
歩んだ道と出会いから、
新たに描いた絵と詩をお届けしております。
それぞれの感じたままの神戸と出会えますように。
※今回の取材を元に絵と詩を毎回制作します。











