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2021.10.19

【神戸で海外旅行】 ヨーロッパ文化薫る、港町神戸へ

【神戸で海外旅行】 ヨーロッパ文化薫る、港町神戸へ

明治期の開港をきっかけにファッション、ジャズ、映画など多彩な西洋文化が流れ込んだ港町、神戸。

この街には、ハイカラな時代の記憶を宿す洋館がたくさん残されています。レトロな建築物の隙間に生まれた、重厚な石造りの壁による路地はラビリンス。そんな路地に迷い込んだなら、ヨーロッパのどこかに来ているような錯覚に陥ることもあるではないでしょうか。

今回は、旅情豊かな神戸に息づいた、ヨーロッパ文化薫る魅惑のスポットをご紹介していきます。神戸でヨーロッパ気分を味わってみませんか?

平塚小夕里
女性誌、カルチャー誌、ウェブ媒体を中心に執筆、取材コーディネイトを行う。得意分野は人物インタビューに加え、日本の神社旅や茶道をはじめとする伝統文化など。ライフワークは自然観察をしながら世界をめぐること。アラスカ、アリゾナなど訪れた国は数多い。

THE BAKE(ザベイク)

新神戸駅から海側に向かい歩くこと10分ほど。南北に伸びるフラワーロードから一本西に入ると、ダークグレーの外壁に赤テント、床材にはレトロなタイル材があしらわれたなんともお洒落なブーランジュリーが現れます。ボリューミーな肉料理で知られる人気ビストロ「ルブージー」の2号店「ザベイク」。

バゲット、クロワッサン、ブリオッシュなど目移りしてしまうほど美味しそうなパンがずらり。ルブージー仕込みの自家製具材を挟んだボリューミーなサンドイッチも人気を集めます。

ハード系パンも充実。 左:バゲットヤマ、右:パンドカンパーニュ。

シナモンの香りが漂い、口の中で雪解けのように柔らかに溶けるシュガーに覆われたシナモンロール

サクサクとした食感とバターの程よいコクが効くオレンジデニッシュ

今日は、食通の神戸女性におすすめされた“チョコレートバタースコッチラスク”をチョイス。チョコレートたっぷりのブリオッシュにバターキャラメルを絡ませた贅沢な味わいです。口にした時の香ばしくかつ繊細な食感に魅了され、見た目よりもずっと甘さも控えめ。なるほど、手が止まらなくなる美味しさです。日持ちは2週間なので神戸土産としても◎。

チョコレートバタースコッチラスク。午後のティータイムにも夕方のアペロタイムにもぴったり

店先にはチェアが配され、18時からはスタンド営業へとシフト。お酒を楽しみながらパンを片手にドリンクタイムを楽しんで。

INFORMATION THE BAKE
住所 神戸市中央区加納町2-3-12
TEL 078-778-3852
定休日 不定休
公式HP https://thebakeboozy.thebase.in
Instagram https://www.instagram.com/thebake.boozys/
※営業時間はHPかSNSで確認を

奥田真珠貿易株式会社

南太平洋のフランス領ポリネシアは、自然豊かで澄んだ海にも恵まれた地域。また、真珠の養殖産業が盛んなことも有名ですね。この、フレンチポリネシア産パールと出会えることも、神戸の魅力の一つだとご存知ですか?

自然の恵みである黒蝶真珠が育まれる、タヒチの美しい海

それは“六甲山に跳ね返る太陽光が、真珠の鑑定に最適”とされ、開港来、真珠の街としても栄えてきた神戸ならではの歴史と、タヒチ産黒蝶真珠を日本に広げたパイオニア、奥田真珠貿易株式会社の存在が理由としてあげられるんです。

眺める角度により、虹のような輝きを放つ黒蝶真珠(タヒチアンパール)

画像名(横長)

ハイクオリティな黒蝶真珠のみが使用された、奥田真珠貿易製のネックレス

異国情緒漂う北野に本社を構える同社は、取り扱う真珠のクオリティに定評がある老舗。2017年には、パールブランド “MAAYA”もローンチし、ブラックパールやバロックパールなど、真珠そのものの魅力を最大限に生かしたクリーンなデザイン展開により、全国のお洒落感度の高い人々から熱い注目を集めています。

エレガントな装いにはもちろん、何気ないTシャツルックもクラスアップしてくれる“MAAYA”のバロックパール

”MAAYA”に関して物販はされていないため、SNSでポップアップ情報などを要チェック!

INFORMATION 奥田真珠貿易株式会社
住所 神戸市中央区山本通1-6-13
TEL 078-252-1763
定休日 土・日曜日、祝日
公式HP http://opt-pearl.com
MAAYA http://maayapearls.com/about.html
※営業時間はHPで確認を

Viva Vin Vivant (ビババンビバン)

よく晴れた日には予定を詰め込まず、ただ街散歩を楽しむ。たまにはトライしたい粋な神戸旅のスタイルです。

遅く起きた朝、北野の街をのんびり周遊。パールストリートを北上したあたりにワインショップ“Viva Vin Vivant“のサインを発見。店内のワインセラーにはイタリアやフランスを中心とする天然酵母で発酵させたナチュラルワインのみがセレクトされ、ワインライフを彩ってくれる厳選オーガニック食材などのショッピングも満喫できます。

さらにはその日のおすすめワインをグラスでも堪能できる、角打ちスタイルのサービスもあるんです。現在、オーナー自らブドウ栽培も行っており、ワインへ注がれる情熱も感じられる秀逸なワインショップとの出会いに恵まれました。

店のエントランスにセットされたカジュアルなテラス席。卓上左からポルトガル産オイルサーディン、南仏産オリーブオイル。中央はおばあちゃんがひとりで作っているという希少なイタリアの白ワイン。

ランタンの置かれたテラステーブルにて、耳に届く人々の笑い声、頬を撫でる港の風を感じワインで喉を潤す…。太陽の下でそんなシチュエーションが叶うなんて、まるでイタリアやスペインの街角に来ているかのよう。

画像名(横長)

リチャードジノリの皿で供されるトリッパのトマト煮込み

系列店、三宮駅徒歩圏内のイタリア料理とスゥイーツ、ナチュラルワインを提供する“エノテカベルベルバール”にも注目を。こちらでもレアで個性的なナチュラルワインが存分に楽しめる上に、どの料理も外れがない美味しさだそう。

一人でも気軽に訪れることができるから、ビジネス出張の折など、遠方からわざわざ足を運ぶファンも多いとか。さらに、満月の夜はハイセンスなワインイベントも開催!次回は、満月に合わせた神戸旅を企画してみたくなりますね。

大きな2個のワイン樽がアイコニックな“エノテカベルベルバール”のエントランス

INFORMATION Viva Vin Vivant(ビババンビバン)
住所 神戸市中央区山本通3-7-2関西華僑洋服業公会ビル1階
TEL 078-806-8818
定休日 水曜日
公式HP https://www.vivavinvivant.com
Instagram https://www.instagram.com/vivavinvivant/?hl=ja
※営業時間はHPかSNSで確認を
INFORMATION エノテカベルベルバール
住所 神戸市中央区中山手通1-9-5
TEL 078-392-5253
定休日 日曜日
公式HP https://www.berberbar.com
Instagram https://www.instagram.com/enotecaberberbar/?hl=ja
※営業時間はHPかSNSで確認を

macaronner(マカロネ)

南京町の南側に位置する明治から昭和にかけ、随一の金融街として華やいだ栄町。しかし、1995年の震災により多くの近代建築が被災し、企業の撤退が相次いだそう。ところが現在は神戸の人々による空きビル活用により、人を惹きつけてやまない人気ショッピングエリアとして変貌を遂げているんです。

古い建築物を壊さず活かす街作りは、ヨーロッパの街並みを思い出させてくれます。この、小さいながらにしっかりとした個性を持つ店が点在する界隈で、今回ご紹介したいのはマカロンを主役とするフランス菓子店「macaronner」。扉をあけると喧騒とは別世界、ダウンライトが優しく照らし、パリのアパルトマンさながらの空間が広がっていました。

ショーケースにはオーナーが自ら仕入れるフランス製髪飾りやボタンなどが並び、店内に配されるアーティスト“ninowreaths”によるドライイモーテルのリースなどもハイセンス。

オーナーがパリで見つけたフランス製の髪飾り。浴衣など和装にも合うデザイン

“ninowreaths”によるドライイモーテルのリース。イモーテルの花言葉は“不滅の愛”

フランスでパティシェとして働いていたオーナーが、縁あって出会ったあるマカロンの感動の美味。その味の記憶が再現された優しい発色のマカロンはバニラ、ショコラ、ユズ…など定番から季節の味まで、種類豊富に提供されます。

マカロンは手前から時計回りにヴィオレ、ノワゼット、ピスターシュ。コクのあるアイスカフェオレと合わせて

午後のひと時、読書をしながらカフェオレとマカロンで静かでお洒落な時間を過ごしたい。そんな欲望を存分に満たしてくれる、とっておきの一軒です。

INFORMATION macaronner
住所 神戸市中央区栄町通3-1-18 ハーバービル2階
TEL 078-321-0569
定休日 不定休
Instagram https://www.instagram.com/macaronner/?hl=ja
※営業時間はSNSで確認を

トアロード・デリカテッセン

開港の歴史を反映する神戸の老舗巡りは旅の醍醐味。その代表的な存在の一つに、1949年創業の「トアロード・デリカテッセン」があります。1階ではチーズ、キャビア、ハムにスモークサーモンなど高級食料品を販売、2階のカフェでは店自慢の食材を使用した極上のサンドイッチなどを提供。創業来継がれる、丁寧な仕事が生み出す“美味”はどれも見事。デリカテッセンとは西洋惣菜の販売店のことで、ドイツ語で“美味しいもの”を意味するのだそう。

デリカテッセンで販売される食料品。ハムやサーモンはもちろん鯖など、絶品揃い

さて、このサンドイッチ。思春期を阪神間で過ごした文豪、村上春樹が自作の小説に登場させた名物メニューでパンはきめ細かくしっとりとした老舗「イスズベーカリー」製が使用されていることも驚き。

サーモンの味をいかすため、余分な具材は一切入れず、味付けもレモンを絞ったのみという潔さ。永遠の名品「サーモンサンド」

また創業70余年という「神戸にしむら珈琲」のバスケットランチにも同店のハムが使われるなど、老舗同士の贅沢なコラボレーションメニューは神戸に足を運ばないと出会えない美味しさです。

落ち着いた2階のカフェルームで老舗の風格を感じる、王道サンドイッチを堪能。レトロなレースカーテンの間から溢れる日の光も美しく、ふと目を移すと、常連のお客様のご厚意により描かれたという油絵が壁に飾られています。

積み重ねられたあたたかな歴史のカケラが、そこかしこに感じられる名店。ぜひ訪れてみて。

INFORMATION トアロードデリカテッセン
住所 神戸市中央区北長狭通2丁目6番5号
TEL 078-331-6535
定休日 水曜日
公式HP http://tor-road-delica.com
※営業時間はHPで確認を

ESPICE (エスピス)

神戸旅の夜を、南仏のレストラン「オーベルジュ・デュ・ヴュー・ピュイ」などで研鑽を積んだシェフによるフランス料理で締めくくります。

2席限定という贅沢なシェフズカウンターにて、ライブ感覚を楽しみながら味わう料理、また坪庭を望むすっきりとした空間に配されたテーブル席で静かにいただく料理。そんな2通りの楽しみ方が叶うよう配慮された居心地の良いインテリアは、なんと「大地」をテーマに設えたものだそう。

それではいよいよ、世界各地からソムリエがセレクトしたワインと繊細なフランス料理とのペアリングで至福の時間の始まり。3種のディナーコースが用意され、なかでもスペシャリテは、シェフの料理の原点である南仏修行時代から継ぐ、甲殻類を使わないブイヤーベース「ブイナーダ」。食べる直前にスープをかけて提供される極上のひと皿はこの店ならではの絶品です。

スペシャリテ イトヨリブイナーダ

豚ごぼう白人参

輪廻 アミューズ

食後には、季節の果物や野菜を使用したヘルシーなデセールや独創的なボンボンショコラそして、食後酒や自家製フレーバーティーも味わえる極上の時間もお待ちかね。

オリーブオイルホワイトチョコベリー

宍粟牛から瀬戸内の新鮮魚介が使われた、神戸出身のシェフが手がける神戸フレンチと、スタッフから受ける温かなサービスや席をともにする仲間との楽しい会話が交わり合い、盛り上がる神戸旅の夜。

自粛を体験した私たちは、美酒美食に癒されほろ酔い気分に浸れる、そんな身近にあった小さな幸せを、いっそう喜べるでしょう。

INFORMATION エスピス
住所 神戸市中央区山手通2-3-25 メゾンエスプリ生田1-1
TEL 078-333-1919
定休日 不定休
公式HP http://espice.meiwa-kobe.jp
※営業時間はHPで確認を

六甲山が背後に広がる、高台に位置する新神戸駅。 そこからは山と海の両方が望め、自然と都市が共存する神戸の様子が見てとれます。
滞在中に出会った様々な人々を思い浮かべ、帰路に向かうため駅のホームに立ちながら「この自然も人も、神戸の人が誇りを持って守り継いできたものだ」そう、感じられていました。そしてこの“誇り”こそ、ヨーロッパの持つ“誇り”に通じると。

幸運にも、神戸の“誇り”という形なきもののなかに感じられるヨーロッパとも出会え、この旅の終わりとします。


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