知ればもっと楽しめる!『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』の過去と向かう未来

※2020年度の「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」は11月23日に閉幕いたしました。

進化しつづけるアートフェス『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』

11月23日まで六甲山上で開催されている現代アートの展覧会『六甲ミーツ・アート 芸術散歩2020』は、2010年から毎年開催され今年で11回目!

rma1.jpg
六甲ガーデンテラスエリアに展示されている作品 灰野ゆう「あめふらし」撮影:高嶋清俊

10月17日からは、ライトアップされた作品や夜間限定作品を楽しむことができる「ザ・ナイトミュージアム 〜 夜の芸術散歩 〜 」も始まりました。日没後には暗闇に浮かび上がる幻想的なアート作品に加え、山上からは「1,000万ドルの夜景」と称されるダイナミックな夜景を満喫することができます。

rma2.jpg
ザ・ナイトミュージアム 〜 夜の芸術散歩 〜 で鑑賞できる作品のひとつ 伏見雅之「過去とはどこか」撮影:高嶋清俊

さらに今年は例年の六甲山上に加え、サテライト会場として有馬温泉エリアでもアート作品が展示されていて、六甲山と有馬温泉という神戸を代表する2カ所の観光地を、アート鑑賞を通して巡ることができます。
また、神戸の人気べーカリー「ケルン」とコラボしたサンドイッチを、山上にあるカフェ「TENRAN CAFE」で販売中(11月23日まで)。アートだけでなくグルメも楽しめるイベントになっています。

rma3.jpg
ケルン×TENRAN CAFE イチジクと生ハムのやまみつフォカッチャサンド

六甲山を、人と芸術・文化・価値観そして人が出会える場所に

神戸は明治以降、外来の文化を取り入れて発展してきました。六甲山も外国人が別荘 を建て始めたのをきっかけにリゾート地として発展し、ゴルフ・スキー・スケー ト・ハイキングといった欧米のレジャー文化を育んできた場所です。

六甲山上でアートを通して「自分にはない価値観を得る」という行為は、 神戸や六甲山のそういった歴史と重なる部分があるのではないでしょうか。

今回は、六甲ミーツ・アート 芸術散歩の総合ディレクターの高見澤清隆さん(六甲山観光株式会社)に、この芸術祭に込めた想いや、六甲ミーツ・アート 芸術散歩が神戸で有数のアートイベントに成長した背景について詳しく伺いました。

rma4.jpg
六甲ミーツ・アート 芸術散歩 総合ディレクター / 高見澤清隆氏(六甲山観光株式会社)

―― 『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』は11年目ですね。この展示会を始めた経緯を教えていただけますか?

『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』の起源は、1995年の阪神・淡路大震災までさかのぼります。あの震災で神戸は甚大な被害を受けました。その後の市街地の復興は目を見張る早さでしたが、六甲山においては保養所の撤退などが続き、「震災前の状態に戻ることは難しい」というのが、私たち六甲山観光株式会社の見立てでもありました。

そんな中、六甲山活性化のためのアイデアのひとつとして生まれたのがこの展覧会だったのです。初年度の2010年当時は各地でアートイベントが注目されていたこともあり、最初のアイデアは「箱根にある美術館のように、六甲山で彫刻作品を展示しよう」というものでした。

rma5.jpg
記念すべき第1回 六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2010で「六甲ミーツ・アート大賞」を獲得した作品 角野晃司「蓑虫なう」(遠景)
rma6.jpg
2010年の六甲ミーツ・アート大賞作品 角野晃司「蓑虫なう」(近景)。この作品は作者自身ができる限り蓑虫の中に入って来場者と会話したり、Twitterで呟き続けたりするという、新しいタイプのインタラクティブアートだった。

―― 六甲山観光株式会社は、ケーブルカー・路線バスの運行や博物館・植物園などの施設を運営されているため、『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』をきっかけに六甲山に訪れる人を増やしたかったと。

そうです。正直な話としては、初年度は収支が合いませんでした。しかしこの展覧会をきっかけに、それまで六甲山に遊びに来ていなかった人が会場に足を運んでいることが分かったため、翌年も開催することになりました。振り返ってみると、この10年間でたくさんの20〜30代の人が六甲山を訪れてくれるようになったと思います。

スタート当初から「10年くらい続けないと効果は生まれないだろう」と思っていましたので、11年目の今年は『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』のターニングポイントの年でもあります。一般的に芸術祭は地域と共同で行われる場合が多いのですが、六甲山には住んでいる人が少ないこともあり、地域とどうやって関わりを持つのか、また芸術祭の効果を地域にどう還元していくのかが長年の課題でした。

そこで、近年は「地元」の考え方を「六甲山」から「阪神間」に拡大しています。昨年は尼崎で短い芸術祭を開催、今年は新神戸駅や有馬温泉に作品を展示したり、神戸に拠点を置いて芸術の探究と普及に取り組むC.A.P.(特定非営利活動法人 芸術と計画会議)と協力したりするなど、次の10年に向けた新しい取り組みも始めています。六甲ミーツ・アート 芸術散歩を起点に観光を活発化させ、地域の交流人口を増やすことで活性化に貢献していきたいですね。

rma7.jpg
今年ならではの取り組みのひとつ、有馬温泉街に展示されている作品 木村剛士「戻れない、過去に浸る日もあっていい」撮影:高嶋清俊
rma8.jpg
安藤忠雄建築「風の教会」で展示されている作品 山城大督「≪Monitor Ball≫ ver.Rokko」撮影:高嶋清俊

―― 六甲ミーツ・アート 芸術散歩は、観て回りやすい回遊性を重視されているそうですね。

はい。各地で開催されている芸術祭のなかでも、六甲ミーツ・アート 芸術散歩は作品を巡りやすいところにポイントを置いています。観光業ならではのサービスの視点から芸術祭を組み立てているため、作品性と共に快適に作品を見て回ることを重視しているからです。

例えば、交通機関と徒歩を組み合わせて、自由に作品を観て回っていただけるように設計した会場規模。これは、六甲山上を散歩するような気分でアート作品を観て回っていただきたいという私たちのこだわりで、六甲ミーツ・アートを「芸術散歩」と表現している理由でもあります。

―― 最後に、これから六甲ミーツ・アート 芸術散歩に足を運ぶ方にメッセージをどうぞ。

六甲ミーツ・アート 芸術散歩は「出会い」がテーマです。六甲山を舞台に、アートを触媒として様々な出会いが生まれることを願っています。



こんな所にも注目!

六甲山上には様々な施設がありますが、いつもなら車やバスでビュンっと移動しがち。でも、六甲ミーツ・アート 芸術散歩は山上を散策しながら作品を巡れるため、歩く速度で六甲山の自然や眺望を体感できます。 そのため、アートに興味がある人はもちろん、六甲山でハイキングしてみたいと思っていた人の最初の一歩にもおすすめ!また、よく六甲山を訪れる人も、馴染みのある場所を活用してアート作品が展示されているため、「この場所をこう使うんだ!」と新鮮な気分で六甲山上を楽しめるはず♪


六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2020
開催日時:2020年9月12日(土)~11月23日(月・祝) 10:00~17:00
※ 一部会場はナイトミュージアム開催のため、平日は18:30まで、土日祝は19:30まで。(いずれも最終受付は30分前まで)

イベントの詳細、チケット購入はこちら!
六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2020公式サイト



【文】
則直建都(フリーランスライター)
兵庫県宝塚市出身、神戸市在住。阪神間で過不足なく暮らすローカル体質人間。サイクリングとロードレース観戦が好き。


新着記事
編集部おすすめ!最新トピックス

ノスタルジックな洋館カフェで、神戸ならではのティータイムを!

ノスタルジックな洋館カフェで、神戸ならではのティータイムを!

神戸港開港以来、洋館が立ち並びハイカラな街と親しまれてきた神戸。開港とともに海の向こうからやってき

更新日:2020年11月20日 15:19

今、有馬温泉は夜までアツい!紅葉と温泉とアートとグルメ旅

今、有馬温泉は夜までアツい!紅葉と温泉とアートとグルメ旅

※2020年度の「有馬アートナイト」は11月23日に閉幕いたしました。 秋の醍醐味を満喫できる有馬温

更新日:2020年11月24日 18:41

知ればもっと楽しめる!『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』の過去と向かう未来

知ればもっと楽しめる!『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』の過去と向かう未来

※2020年度の「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」は11月23日に閉幕いたしました。 進化しつづけるア

更新日:2020年11月24日 16:59

検索キーワード
SEARCH KEYWORDS