2026.04.07

神戸の路地裏で見つけた。しあわせを運んでくれる、3つのチョコレート。

神戸の路地裏で見つけた。しあわせを運んでくれる、3つのチョコレート。

神戸の街を歩いていると、ふと細い路地から「甘い予感」が漂ってくることがあります。

ライターのいなだみほです。にぎやかな表通りもステキだけれど、一歩足を踏み入れた先にある静かな路地裏には、その街が大切に守ってきたものがある気がします。

今回ご紹介するのは、そんな路地裏でそっと扉を開けて待っている、3つの小さなお店。

 

石畳の続く岡本の街で、オーストラリアの風をひと粒に閉じ込めた「NAKAMURA CHOCOLATE(ナカムラチョコレート)」。

三宮の喧騒を抜けた隠れ家で、フランス・ブルターニュの優しい潮風を感じさせてくれる「MAISON LE ROUX (メゾン・ルルー) 神戸店」。

そして、店主の温かな眼差しが真っ直ぐにお菓子に宿る「ametista(アメティスタ)」。

 

迷い込んだ路地の先で、キラリと光る宝物を見つけるような、そんなときめき。春の柔らかな日差しに誘われて、日常の中のちいさな幸せを探しにでかけませんか。

北野の路地裏にひっそり。bean to bar chocolate 専門店「ametista(アメティスタ)」

神戸・北野。異人館へと続く賑やかな通りを背に、吸い込まれるように細い路地へ一歩。石畳に落ちる影が少しずつ長くなる午後、そこには街の喧騒を忘れさせるような、静かな時間が流れていました。

今回訪ねたのは、ビーントゥバーチョコレート専門店「アメティスタ」。

 

目抜き通りから一歩路地へ。「ametista」はひっそりと在ります。

店内はゆったり。窓辺のカウンター席では、チョコレートやチョコドリンクを楽しめます。

「わざわざここを目指して来てくださる、その道中も楽しんでいただけたら。」 店主の秋森シェフがそう語る通り、大通りから折れた先にあるこの場所は、知る人ぞ知る隠れ家のよう。

カウンター席に腰を下ろすと、窓の外には北野らしい穏やかな風景が広がり、ただそこにいるだけで、心がゆっくりとほどけていくのがわかります。

店の奥からは、カカオを焙煎する芳醇な香りが漂ってきます。ここでは、世界中から届くカカオ豆の選別から、焙煎、摩砕、テンパリング、成型、そして丁寧なラッピングに至るまで、すべての工程が一貫してこの工房で行われています。

 

焼き菓子も種類豊富に並びます。チョコを使用したフィナンシェ、パウンドケーキなども!

「カカオ本来のフレーバーを、最大限に表現したいんです」。秋森シェフのその言葉通り、ラインナップの主役は、珍しくも個性豊かなアジア産のカカオ豆。一粒口に含めば、ベリーのような酸味や、ナッツのような香ばしさが重なり合い、産地の景色までが浮かんでくるよう。

それは、私たちが知っている「チョコレート」という言葉の枠を軽やかに飛び越える、驚きに満ちた体験です。

 

秋森シェフ自慢のタブレット(ベトナム・ベンチェ)

春の柔らかな日差しが差し込むこれからの季節、ぜひ味わってほしいのが「ショコラフロワ」です。自慢のビーントゥバーチョコレートを贅沢に使用したこのドリンクは、濃厚でありながら、後口は驚くほど軽やか。ひんやりとした喉越しが、歩き疲れた体に染み渡ります。添えられた焼き菓子とともに味わえば、カカオの持つ力強い生命力と、作り手の優しい手仕事が、五感を心地よく刺激してくれます。

観光の合間、地図を閉じてふらりと立ち寄る。そこにあるのは、効率やスピードとは無縁の、ただひたすらに「おいしいチョコ」と向き合う時間です。

「散策の途中に立ち寄って、ホッと一息ついていただけたら嬉しいですね」 そうほほえむ店主の横顔を見ていると、この路地裏の一軒が、北野という街の深みをより一層増しているように感じられました。

 

秋森シェフが作るビーントゥバーのタブレットは4種類。

北野の路地裏にひっそりと佇む、チョコレートの聖域。扉を開けた先には、あなただけの「癒しのひととき」が待っています。

山本通に出している看板が目印。

Information

ametista

住所 神戸市中央区北野町3-2-15 KATO VILLA 1F
アクセス 各線「三ノ宮」「三宮」「神戸三宮」駅より徒歩約15分
営業時間 11:00~18:00
Instagram https://www.instagram.com/ametistate/

オーストラリアの素材使いも楽しい!「NAKAMURA CHOCOLATE(ナカムラチョコレート)」

閑静な住宅街・岡本の小径に佇む「ナカムラチョコレート」。世界を舞台に活躍するショコラティエールの想いが詰まった、宝石箱のような空間です。

 

オープンしたのは、2017年12月。作り手は、西オーストラリア・パースを拠点に活動する日本人ショコラティエール、中村有希さん。

ここはその「ナカムラチョコレート」にとって、日本唯一の実店舗です。

小さな雑貨店やパティスリー、老舗のベーカリーなどが点在し、美しい石畳が続く街並みの、その穏やかで洗練された空気感が、中村シェフの繊細なチョコレートにしっくり合っています。

 

さて、一歩店内へ足を踏み入れると、壁面に描かれたチョークアートが目を引きます。そこにはオーストラリアの大地で育まれた食材や風景が描かれ、遠く離れたパースの息遣いも感じられます。

 

チョコレート色の外観。壁のチョークアートも目をひきます。

そして、思わず「わあ!」と誰もが感嘆の声をあげるのがショーケース。カラフルで美しいボンボンショコラが並ぶ様子は、まるでジュエリーショップのよう。

約30種類のボンボンショコラは、海外の文化を知る中村シェフならではの独創的なフレーバーと、デザイン性の高さで人気です。

なかでも「オーストラリアンセレクション」と呼ばれている、現地ならではの果実やナッツ、ハーブ、スパイスなどの素材を組み合わせたフレーバーが楽しい。ユーカリの木の一種ストロベリーガムやクワンダン、フィンガーライムなどなど、耳慣れない素材がどんなふうにチョコに使われているのか、期待に胸が膨らみます。

 

色使いも印象的なボンボンショコラは常時30種そろいます。1粒からでも買うことができるのもうれしい。

中でも、この季節にぜひ手に取ってほしいのが、スプリングフレーバー「桜もち」です。これは、中村さんが遠くオーストラリアの地で日本を思い出し、そのノスタルジーをショコラへと昇華させたもの。和の伝統的な味わいと西洋のショコラ文化が見事に融合した、彼女ならではの表現力が光る逸品です。

こし餡のガナッシュに、刻んだ塩漬けの桜葉を合わせたひと粒。口に含んだ瞬間、春の香りがふわりと広がります。

 

春におすすめのボンボンショコラ「桜もち」

「多種多様なフレーバーの中から、ぜひ自分だけのお気に入りのひと粒を見つけてほしい」と語る中村さん。オーストラリアの野生的な食材を使ったものから、繊細な和の味覚を再現したものまで、その一粒一粒が旅先での特別な出逢いのような高揚感を与えてくれます。

お店のすぐ近くには、春になると見事な花を咲かせる「バラ公園(本山公園)」があります。散策のついでに立ち寄り、こだわりの一粒を手にひと休みするのはいかがですか。

 

Information

NAKAMURA CHOCOLATE

住所 神戸市東灘区岡本2-5-16
アクセス JR「摂津本山」駅より徒歩約5分
営業時間 11:00~18:30 定休日 月曜日
公式HP https://nakamura-choco.jp/

港町・神戸で出逢うフランス伝統の味わい「MAISON LE ROUX (メゾン・ルルー) 神戸店」

にぎやかなセンター街の喧騒を背に、ふと細い路地へ足を踏み入れる。そこには、神戸の街にしっくりと溶け込みながらも、どこか遠い異国の海風を運んでくるような一軒のショコラトリーが佇んでいます。

フランス・ブルターニュの薫香をまとう「メゾン・ルルー 神戸店」。世界中の甘いもの好きを虜にしてきた、伝説のキャラメルとショコラが静かに息づく場所です。

物語の始まりは1977年。フランス・ブルターニュ地方の港町キブロンで、創業者のアンリ・ルルー氏が地元の名産である塩バターを使い、唯一無二のキャラメル「C.B.S.®」を生み出しました。

その情熱は今、フランス国家最優秀職人章(MOF)の称号を持つダヴィッド・ヴェスマエル氏へと受け継がれ、伝統の重みを守りながらも、新しい驚きを私たちに届けてくれています。

 

店はサウスストリートの一角に。

古くから外の文化を柔軟に受け入れ、独自の情緒を育んできた港町・神戸。その懐の深さは、フランス伝統のキャラメルやショコラが持つ誇り高い精神とも、どこか深いところで響き合っているような気がしてなりません。

1階のブティックには、宝石のようなボンボンショコラや、創業当時からの製法を守り続けるキャラメルが、ショーケースの中で誇らしげに並びます。

この春、ぜひ手に取っていただきたいのが、メゾンの象徴である塩バターキャラメルをベースにした「キャラメルバー」。キャラメルの深いコクとショコラが重なり合う一本は、重厚にして洗練された佇まい。

定番はもちろん、カシスやライムといった果実の甘酸っぱさが弾けるフレーバーも、選ぶ時間をいっそう愉しく彩ってくれます。

 

1Fのブティック。

ショーケースにはボンボンショコラやキャラメルが並びます。

階段を上がった2階は、街歩きの余韻に浸りながらホッと一息つけるサロン。

お気に入りの一粒をドリンクとともに味わったり、イートイン限定のパフェを頬張ったり。心はいつしか、海を越えた旅先にあるような、そんな穏やかな時間に包まれます。

 

2階のサロンは隠れ家のような特別感。

おすすめの「キャラメルバー」

今の季節なら、五感で春を愛でる「いちごのパフェ」を。自慢のキャラメルやショコラが、旬のいちごの瑞々しい甘みと出逢う一皿は、まさに春の悦びそのもの。

お店があるのは、三宮と元町のちょうど真ん中あたり。

街の賑わいから一歩離れた路地裏で、扉を開けてみてください。そこには神戸にいながらにして、ヨーロッパの清らかな空気が流れる、贅沢なひとときが待っています。

 

チョコの中は自慢のキャラメル。チョコとキャラメルの食感の違いも楽しい。

Information

MAISON LE ROUX 神戸店

住所 兵庫県神戸市中央区三宮町2-8-1
アクセス 神戸市営地下鉄海岸線「旧居留地・大丸前駅」より徒歩約2分
営業時間 11:00~19:00(L.O.18:00)  定休日 火曜
公式HP https://maisonleroux.jp/

にぎやかな商店街や石畳の続く街並み、その一歩奥へ。

路地裏でふと見つけた扉を開けるとき、そこには日常をほんのり甘く彩ってくれる、小さな幸せが待っています。神戸の街には、そんなショコラティエがまだまだたくさん!

1年365日、神戸は毎日がチョコレートデー。

一粒のショコラが、あなたの心にしあわせを運んでくれますように。

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