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2021.11.05

【神戸で海外旅行】 アメリカと聞いて、僕は「神戸」を連想する。

【神戸で海外旅行】 アメリカと聞いて、僕は「神戸」を連想する。

N.Y.で生まれたと言われる僕の大好きなカクテル、マティーニをお気に入りのバーで堪能した後、自宅まで酔い覚ましを兼ねて歩く途中、夜空を見上げると綺麗な満月がこちらを照らしていることに気づきました。そういえば、人類で初めて月に降り立ったのもアメリカ人だったっけなぁ。と、アメリカの文化や歴史に囲まれて日々過ごしているのかも知れないと、ふと思いました。

みなさん「アメリカ」と聞いて何を思い浮かべますか?AppleやGoogleなどのIT企業?自由の女神やゴールデンゲートブリッジなどの巨大建造物?スピルバーグやフィンチャーがつくる壮大なハリウッド映画?そんな連想ゲームがあったなら、僕はこう答えます。

「アメリカと聞くと、神戸を想い出すんだよなぁ」

これ、結構本気です。今回はその意味を詳しく伝える機会をいただけたので、僕が神戸を訪れた際に感じた「アメリカ」を何ヶ所か紹介させていただきます。

絵と文:太田伸志(おおたしんじ)
クリエイティブカンパニー Steve* inc.(https://steveinc.jp) 代表取締役社長、作家、唎酒師。宮城県丸森町生まれ。大手企業のブランディングに伴うクリエイティブディレクションを多数手がけながら、武蔵野美術大学、専修大学、東北学院大学の講師も歴任するなど、大学や地域との連携にも力を入れている。Sony Music 『アニメ 大福くん』脚本執筆/Pen Online『日本酒男子のルール』連載/七十七銀行FLAG『大学で教えてくれないことは東北の居酒屋が答えをくれる』連載。

神戸ハーバーランドの美しい景観に、 まず、乾杯せずにはいられない。

缶詰工場をモチーフにした多彩なシーフード料理が楽しめるレストラン、フィッシャーマンズマーケット。テラス席や海側の大きな窓からは「神戸ハーバーランド」の、まるで映画のような絶景が見渡せる絶好のロケーション。まるで、港街として有名な、サンフランシスコのような雰囲気を感じます。

僕は、サンフランシスコと聞くと、1994年に公開となったトム・クルーズとブラッド・ピットが吸血鬼を演じ、同時にサンフランシスコの美しい街並みも描かれていた名作映画『インタビュー・ウィズ・バンパイア』を思い出します。ですが、ここ、フィッシャーマンズマーケットのビュッフェに並ぶ豊富な魚介類と、広大で美しい景観に、(実は、ここから程近い明石海峡大橋は、映画にも登場するゴールデンゲート・ブリッジの1280mを楽々と超える1991mだそうです)僕に限らず、「インタビュー・ウィズ・バンパイア」ではなく、「オーシャンビュー、まず、乾杯だ」と思わず言ってしまうことでしょう。ぜひ、映画に出てくる貴族のような優雅な気分で、ロブスターをはじめとした新鮮なシーフードビュッフェを堪能してみてください。

神戸ハーバーランドは、アカデミー賞こそ受賞してはいませんが、国内では当時としては先進的な方式の都市計画であったことから、1993年に日本都市計画学会の「石川賞」を受賞すると共に国土交通省の「都市景観100選」にも選ばれています。神戸の旅の始まりは、美しい景観への乾杯からスタートしてみてはいかがでしょうか。

INFORMATION フィッシャーマンズマーケット
住所 神戸市中央区東川崎町1-6-1 神戸ハーバーランドumie モザイク2F
TEL 078-360-3695
公式HP ※営業時間はHPで確認を https://www.peanutshotel.jp/
© 2021 Peanuts Worldwide LLC

神戸ポートタワーとメリケンパークで気付く、これまでとは別の視点。

スターバックスをはじめ、世界に名を知られる大企業の誕生の地、シアトル。シンボルタワーであるスペースニードルからは、シアトル市街地のほか、山脈や海などの雄大な景色が見わたせます。そんな、アメリカ西海岸の街のような開放的な景色を味わえるのが、神戸ポートタワー。1963年に建設されたこの展望用タワーは、籠状に編まれた世界初のパイプ構造の建造物で、建築史的にも貴重な存在。日本建築学会賞、建築業協会優良建築賞を受賞している名建築です。過去に登ったことのある方も、外側の景色だけではなく内側の構造にもぜひ目を向けて見てください。緻密な建築家のこだわりに随所で驚かされるはずです。

敷地であるメリケンパーク内の音楽練習場の壁にはアートが描かれているエリアがあります。こちらはまるで、アーティストやクリエイターが拠点を構え、社会の認識を「壁の落書き」から「ウォールアート」へ進化させた街、ブルックリン。最近では、絵の前でSNSでの投稿用に記念撮影する若者が増えています。テレビよりもSNSでの盛り上がりが影響力を持つ時代となったように、何事も視点を変えれば、新しい価値が生まれる。神戸に点在する建築やアートからは、そんな柔軟な人生の楽しみ方を学べる気がします。

INFORMATION 神戸ポートタワー
住所 神戸市中央区波止場町5-5
TEL 078-391-6751
公式HP http://www.kobe-port-tower.com/
※令和5年度(見込み)まで、大規模リニューアル工事で休業中です
INFORMATION メリケンパーク
住所 神戸市中央区波止場町2
TEL 078-321-0085
定休日 なし
公式HP https://www.feel-kobe.jp/area-guide/meriken-harbor/

小さい悩みなんてどうでも良く思えるほど、スケールが大きい須磨海岸の夕陽。

白い砂浜、ヤシの木、美しい水平線。ウィンドサーフィンをしたり、ランニングをしたり、アイスクリームを食べたり。人それぞれ自由なスタイルで楽しむ姿は、まるでロサンゼルスのロングビーチ。遊歩道や芝生も整備された須磨海岸では、本格的なアーバンリゾートを楽しめます。さらに付け加えれば、ロサンゼルスよりも神戸が優っているポイントがあります。それは、須磨海岸は神戸の都心部である三宮や元町から電車でわずか10分程度だということ。ビルが立ち並ぶ中心地から、あっという間にビーチへ行ける気軽さは、神戸だからこその利点と言えるでしょう。

朝の清々しい海辺を散歩してから都心部へ戻って朝食を楽しんだり、昼に神戸に到着したら、すぐに午後のティータイムを砂浜で過ごしたりなど自由自在。スケジュールに合わせた旅行プランを立てられます。でも、オススメは夕方。夕陽が水面に反射する風景は、ちっぽけな悩みなんて吹き飛ぶような美しさ。アメリカ旅行から帰ってきた人が言いそうな「小さい悩みなんてどうでもよく思えた」みたいなセリフをここでも言えること間違いありません。

INFORMATION 須磨海岸
住所 神戸市須磨区若宮町1丁目から須磨浦通6丁目までの海浜地
TEL 078-333-3330(神戸市コールセンター)
公式HP https://www.city.kobe.lg.jp/a46366/kanko/leisure/suma_beach/index.html

まとめ

アメリカを神戸でも感じることができる。それは、海外旅行に行きたくてもなかなか行けない今、さらに大きい意味を増してきている気がします。気軽に海外へ行けないからといって「しかたない」と、何もしないのではなく、まずは一歩でも進むことで新しい発見に触れることができる。そんな、良い機会だと考えられないでしょうか。

さて、美しい満月を見ながらの散歩ももうすぐ終了。自宅まであとわずかです。そういえば、人類で初めて月面に降り立ったアメリカ人、ニール・アームストロングはこんな言葉を残していることを思い出しました。


That’s one small step for man, one giant leap for mankind.
人間にとっては小さな一歩だが人類にとっては偉大な一歩だ


確かに、海外に行かなければわからない、アメリカの土地を踏まなければわからない、「アメリカの文化」はあるのだと思います。ですが、今は21世紀。国際化が進んだ現在、アメリカの土地に根付いた「日本の文化」もあるように、日本の土地に根付いた「アメリカの文化」もたくさんある時代です。

海外旅行に行って見つかる気付きだけではなく、日本で見つけることのできる気付きも、一周周ってグローバルな時代の魅力と言えるのではないでしょうか。ニールのような「小さな一歩」を踏み出せるかどうかはあなた次第です。と、月並みな言葉で締めさせていただきます。


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